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(回答先: 提言を受けて．．． 投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 08 日 18:52:36)
レスありがとうございます。
いまだ以下の点に疑問を感じます。
○ 経済論理の「理解」について
給与引き上げがデフレ不況の解消のポイントだということが大企業の経営者に理解できないとは思いません。彼らは、自分らの製品の購入原資が、自分たちの支払う給与であることを良く理解していると考えます。彼ら経営者は、新聞雑誌では嘘を付いているだけのことです。彼らは、経済論理を理解しながら、「余所が給与を多く払わないときに、自分が給与を多く払うと倒産する」と考えているのです。そして、この思考は、市場経済下では正当なものです。
ここにトヨダ（トヨタではない）社とニチサン社の二社が競争している国があったとします。車の品質や価格には遜色がないものとしましょう。ニッサン社が給与を１００払い、トヨダ社が給与を５０払ったとします。この給与差が、トヨダ車とニチサン車との売り上げには影響しないものと仮定します。不況がきました。トヨダ社が利益ゼロになったときにニチサン社はどうなっているでしょうか？倒産しています。経営者は首を吊り（以下省略）。
つまり、大企業の経営陣といえども、「経済論理」の理解に従った行動は、その立場上とりえません。以上の理由から、「説得」や「自発的行動」は困難と考えるべきではないでしょうか。
○ 「前年以上に人件費を多く支払ったら、その増加分の半分を経費（損金）としてダブルで認める」という税制について
これについては、応急措置という前提の下でのみ、賛成します。
○ 公的資金による返済不要の増資による銀行の“実質的”国有化は、外資はたぶん納得しません。今の政府にはできません。しかし経済上は最良の方法だという点に同意します。
○ ＮＰＯやＮＧＯへの支出は駄目ですね。
林業は反対しません。救急医療体制・介護・託児は賛成します。
私は、都市部における大規模な公営マンション増設、造成への補助造成への補助がベストと考えます。 これによってマンションの部屋を大きくすると共に、値段を下げることが必要と思います（もう手遅れかもしれませんが）。これは格差是正というレベルの問題ではないと考えます。生産消費人口増大、生活改善の点で最も重要なものです。赤ちゃんがいない世界では、誰もトヨダ車を生産できなくなるし、購入できなくなるからです。しかも、これは、「公共事業に群がっているとされる」みなさんが得意な「箱もの」です。これ以上適切な支出対象はないと思いますが、いかがでしょう。地方の業者には上京して頂きましょう。座して死を待つよりも良いでしょう。
○ フリーター問題については、国際競争力が低下するわけですから、現在の輸入問題が一層激化するだけです。中国で８時間働いているときに、フリーターが５時間働いた場合に、フリーターの生活水準が中国での生活水準を上回ることは原理的に困難と考えます。かりに労働価値説に立つならば、ますます当然の結論になると思います。
フリーターが、他の国では生産できないものを作り続け、生産性も外国以上のペースで上昇させることは、あり得ないと思います。
○ 高額所得者には、低中所得者に“一時的に”お金を回すことで自分たちの所得が持続的に確保されるという経済論理を説得できれば言うことはありません。
しかし、彼らは、「他の高額所得者」の「一時的」犠牲によってこの経済論理を実現することを求め、自らが「一時的」犠牲を求められることを不当と考えると思います。つまり、たとえ包括的経済論理を理解しても、その行動様式は別物だということです（こう言ってしまってはお終いかなあ）。
消費者金融の社長をごらんなさい。彼は、低所得者に最後の金を返済させることによって、デフレ大不況を促進しております。しかし、そんなことを気にするような面構えをしてはいませんよ。
なぜか。通貨愛好者は、通貨に刻印された労働価値を認識するような人々ではなく、論理によって動いているわけでもないからです。まさに「通貨自体に価値を認めている」のです。 「貨幣は帝王とならん」（法王インノケンティウス三世） 今の日本における高額所得者の多くは、このような人々です。彼らから通貨をはぎとることは、その自我をはぎとることです。そこには猛烈な抵抗が予想されます。
○ 名だたる優良企業が、国家の庇護と人材供給の下で発展してきたのは歴史的事実であり、同じ企業が忘恩の輩であることは現在の事実です。
歴史的経緯を忘れ去って（捨て去って）自由主義経済を叫ぶ企業人がカスであることには賛成です。しかし、カスをカスと呼んだところで問題の解決にはなりません。「カスであることが貨幣上で不利益となる」ような政策を提示することが必要だと考えます。 と言っても、私が思いついたのは国民経済寄与格付け制度くらいですねえ。 とりあえず名誉をはぎとりましょう。 そうすればやがて貨幣もなくなります。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。