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東京 ２月７日（ブルームバーグ）：金融庁は７日、全国銀行の不良債権残高や処理状況（2002年９月末、金融再生法開示ベース）をまとめ、公表した。要管理先以下に区分される不良債権の残高は、前期から続く処理促進の効果もあって、都長銀、信託銀、地銀、第２地銀の各種業態を合計した132行で40.1兆円と、半年前の2002年３月期末より3.1兆円減少した。
ただ、このうち、地銀、第２地銀合計の不良債権は、全体の傾向とは裏腹に増加した。９月末の残高は前期末比0.2％増の15兆円と、過去最高の水準。中小企業向け融資が大半を占める地域銀行にとって、貸出先の倒産増という厳しい状況が反映された。また、債権区分や引当基準を厳格化したことも響いた。
不良債権が全体の融資残高に占める割合を示す「不良債権比率」は、132行で8.1％と、３月末より0.3ポイント低下した。逆に地銀、第２地銀合計では 8.3％と、３月末比0.3ポイント上昇した。それでも依然として高水準であるため、金融庁は2004年度末までに不良債権比率を４％台に下げたい考え。
40.1兆円の不良債権に対する処分損は1.8兆円と、2002年３月期の9.7兆円より大きく減少した。前期は特別検査の影響で10兆円近い処分損が発生したが、半年後の９月末の処分損は２兆円未満に落ち着き、３兆円の業務純益の範囲内に収まっている。
売却、償却、債権流動化などの積極的なオフバランス化が進むなか、40.1 兆円のうち、破たん懸念先以下に区分された債権は23.3兆円と、2002年３月末より3.4兆円減少した。このうち、主要12行でも破たん懸念先以下債権は減少しており、残高は同3.1兆円減の12.3兆円となった。
しかし、残高自体は大きく減っていない。政府公約の「主要行の破たん懸念先以下の不良債権を処理」の対象は12.3兆円だが、処理を進める一方で新規の不良債権が大量に発生するため、残高は2000年９月末の12.7兆円とほぼ同水準。今後、金融再生プログラムに沿って処理を加速した場合、2003年３月期の残高をどこまで圧縮できるかが問題だ。
●不良債権残高（2003年９月期）
金融再生法開示債権 破産更生等債権 要管理債権
および危険債権
①都･長･信託銀 25.1(▲3.3) 13.1(▲3.4) 12.0( 0.1)
②うち主要12行 23.9(▲2.8) 12.3(▲3.1) 11.6( 0.3)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
③地域銀行 15.0( 0.2) 10.2( 0.0) 4.8( 0.2)
（地銀･第２地銀合算）
―――――――――――――――――――――――――――――――――
全国銀行132行 40.1(▲3.1) 23.3(▲3.4) 16.8( 0.3)
①＋②＋③
注１）単位は兆円。カッコ内は2002年３月末との増減率％。▲はマイナス。
注２）①は、新生銀行、あおぞら銀行を含む。
注３）信用金庫や信用組合など協同組織金融機関は、中間期の数字を公表して
いないため、今回のデータには含まれていない。
東京 中島 三佳子 Mikako Nakajima
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。