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勢い、もし使い尽くさば、禍必ず至る(日本の諺)
1月31日の小泉首相の施政方針演説には日本の最高指導者としての強い信念とパワーが感じられなかった。空疎で無意味な言葉を羅列しただけの「仁すくなき巧言令色」演説だった。小泉構造改革は勢いを失った。
実は、今回の施政方針演説は小泉首相にとって出直しの最後の機会だった。長期的改革路線と当面の景気対策とを統合する新政策を打ち出す絶好機でもあった。だが、小泉首相はこのチャンスを逃した。自公保3党の議員に問う――これでもなお小泉首相を支持しつづけるのか、と。国民第一でやってほしいと思う。
民を視ること傷(いた)むが如し(孟子)
政治家は国民と痛み、苦しみを共有しなければならない。小泉政治には国民への「いたわりの心」が欠けている。一方的に国民に痛みを求めるばかり。冷酷な政治は直ちに止めさせなければならない。
当面緊急になすべきは「3月危機」回避である。具体的には、第一に小泉首相が景気回復重点への政策大転換を表明すること。第二に日本の金融を混乱させている「竹中プラン」をストップさせること。竹中プランは大銀行破壊だ。追い詰められた銀行はのたうち回っている。その結果、企業の倒産と廃業が急増する。小泉首相が竹中金融相を解任するのが筋だが、しない場合は国会が竹中金融相を不信任すべきだ。第三は直ちに平成14年度第二次補正予算を編成して企業倒産を防ぐこと。政府は苦しんでいる人々を見捨ててはならない。
政は民を養うに在り(書経)
政治の主な目的は、第一に外敵の侵害から自国民を守る。このために平和外交を行い防衛能力を確保する。第二に社会悪と犯罪から国民を守る。このために警察力を整備する。第三に国民経済の安定をはかる。このために通貨の安定をはかり、安定経済成長政策と社会福祉政策を実行する。
小泉政権は政治の最も重要な役割の一つが「民を養う」ことにあることを忘れている。小泉政治による日本経済の破壊を食い止めるために、与野党を超えた政策転換のための大政治連合を直ちに結成すべきだ。これが小泉政治超克の第一歩となろう。
【以上は2月4日配信の「コメントライナー」(時事通信社)に掲載された私の小論です】