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新生銀行は、平成10年3月に注入された公的資金のうち、劣後ローン466億円分を3月末までに返済する計画を明らかにした。それでも3月末の自己資本比率は約19%とメガバンクの倍近い水準をキープ、残りの公的資金も早期返済を目指すという“優等生”ぶりで、ドライな商法が威力を発揮しているようだ。
大手行に10年3月に永久劣後債や永久劣後ローンの形で注入された公的資金は、「ステップアップ条項」により今年4月以降の返済金利が年0.7−1.5%上昇する。このため、三井住友フィナンシャルグループ、住友信託銀行、UFJホールディングス、みずほホールディングスなどが今年3月までに繰り上げ返済する方向だ。
新生銀も劣後ローンの返済で、自己資本比率が昨年9月末(19.92%)に比べて約1%低下するが、自己資本比率10%そこそこのメガバンクが国有化回避へ増資など“金策”に奔走するのとは対照的だ。
そこで新生銀は10年3月に国が引き受けた優先株1300億円、12年3月に一時国有化(特別公的管理)が終了した際の優先株2400億円の公的資金も早期に返済する方針だという。
一方、懸案だった不良債権の圧縮も進んでいる。昨年12月末の不良債権残高(金融再生法基準)は5723億円と、同年9月末(7938億円)に比べて27.9%減少した。
貸し出し債権の価値が2割以上目減りすると国に買い取らせる「瑕疵(かし)担保条項」については、「行使を最小限に抑え、不良債権の回収や譲渡を進めた」としている。そごうやマイカルなど大企業を経営破綻に追い込んだとして評判の良くない同条項の行使を控えたというより、「大半の大口融資先は、破綻したり肩代わり返済をさせるなど決着済み」(金融担当アナリスト)というのが実情のようだ。
実際、ダイエーは新生銀に600億円の融資を返済したが、UFJなど主力3行が肩代わり融資するなどして返済額を上乗せしている。
行使期限は2月末に迫るが、西武百貨店の救済スキームでも新生銀の動向が懸念材料となるなど、依然として新生銀リスクは残っているのだ。
新生銀は3月末までに不良債権残高を3000億円台まで減らす予定で、強引な貸し剥がしが加速する恐れもある。
念願の株式再上場を果たせば上場益は1兆円にのぼるといわれる新生銀。資金繰りに苦しむメガバンクからは「いっそ国有化されたほうがいいのか」とうらやむ声も聞こえてきそうだ。