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「今回の1500億円の増資の件に関して言えば、足助氏の関与はまったくない。万が一この件に彼を巻き込んでしまったならば、ゴールドマン・サックス内での彼の立場は苦しいものとなっていただろう。従ってむしろ意識的に彼をはずす形で交渉を進めたと言っていいだろう」
三井住友フィナンシャルグループ(三井住友FG)の西川善文社長がこう断言する。
このコメントに登場する「足助氏」とは、昨年6月に三井住友銀行副頭取から、ゴールドマン・サックス証券(日本法人)の会長ポストに転出した足助明郎氏のことを指す。
西川社長によれば、三井住友FGとゴールドマン・サックス(GS社)との間で進められた増資交渉は完全に足助氏の頭越しに進められたというのだ。この交渉は、西川社長自身がGS社の米国本社に乗り込む形で行われたのである。
去る1月15日、三井住友FGはGS社から転換型優先株を発行する形で約1500億円の資本を調達すると発表した。
この資本調達に関していえば、対外的に最も注目されたのは、その調達コストだ。
この転換型優先株の配当は、年4.5%。しかもこの配当は、優先株を普通株に転換しない限り25年間続くのだ(転換可能期間は優先株発行の2年後から25年後まで)。
つまり、その調達コストに関する限り、「三井住友FGの負担はあまりにも大きい」という見方が一般的なのだ。
事実、GS社とはライバル関係にあるメリルリンチの担当者は「GS社に完全にしてやられた。あの条件だったらウチでも是非やりたいくらいだ」と地団駄を踏んでいたくらいなのだ。
しかし本当に「年4.5%」という調達コストは破格の条件なのだろうか。
「GS社は当初、年4.5%よりも上の水準を要求していた」(三井住友FG経営中枢幹部)
とはいえ一定水準を超えての“配当”は、商法で規制されている“有利発行”に抵触する恐れが出てくる。
複数の関係者の話を総合すると、この“年4.5%”という水準は、“有利発行”に抵触しないギリギリのラインだった可能性が高い。
前述のメリルリンチの反応から考えても、GS社にとっても、この増資引き受けは魅力的なビジネスだったことは間違いないだろう。したがって三井住友FGサイドから出来るだけ有利な条件を引き出したいのは言うまでもないことだが、かといって交渉を決裂させたくはない、というのがGS社の本音だろう。
こうした状況の中で、両社はまさにギリギリの交渉を行ってきたと見ていいだろう。
そうであるならば、そうした交渉に“元三井住友銀行副頭取”の肩書を持つ足助氏がタッチすることは、むしろ不可能と言える。
「こうした交渉状況から考えて、今の経営環境下で“年4.5%”という調達コストは、決して高くないのではないか。むしろ妥当なラインと見るべきなのだろう」(他のメガバンク担当者)
そして注目すべきなのは、三井住友FGの今後の資本調達計画だ。
それが外資となるのか国内資本となるのかいまひとつ判然としないが、GS社との一件を通じて発行体−−つまり三井住友FGサイドが主導権を握ったと見ていいだろう。
2003/2/6