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竹中平蔵金融・経済財政担当相は5日、毎日新聞の取材に応じ、大手行の増資計画について、融資先への行き過ぎた引き受け要請がないかなど公正さや戦略性の観点から厳しく監視する方針を表明した。また、3月末に向けて、イラク情勢などを背景に株価が急落すれば、銀行への公的資金投入も含めた断固とした措置で金融危機を防止する考えを強調した。
不良債権処理の加速に備えた大手行の自己資本の強化策については「新しい動き」と評価。そのうえで、「きちんとしたビジネスモデルを立てて出資者を説得しないといけない」と指摘した。また、「3S」(戦略性、健全性、誠実さ)の観点から、金融当局として増資の実行を厳しく監視する考えを示した。
また、3月期末に向けて「金融から経済の底割れを起こさせることはない」と言明。「(株価急落などで)万一金融機関の経営が悪化しても、(日銀特別融資や公的資金投入など)特別支援の枠組みを金融再生プログラムで示している」と述べ、3月危機はないとの考えを強調した。
インフレ目標についてはデフレ克服策としての有効性を評価。「日銀にマネーサプライをコントロールしてもらうためにはそれなりに有効」と、日銀に検討を促した。
破たん前の生命保険の予定利率(契約者に約束した運用利回り)引き下げについては、予定利率を運用実績が下回る「逆ざや」の問題を指摘したうえで、今国会中に結論を出す意向を示唆した。 【小林理、荒木功】
竹中平蔵金融・経済財政担当相との主なやり取りは次の通り。
――「政府・日銀一体のデフレ克服」はなかなか道筋が見えません。
◆デフレには需要不足や供給側の要因のほかに金融の要因があり、突き詰めれば貨幣的な現象。日銀にはマネーサプライ(通貨供給量)を増やしてほしいと言っている。政府も構造改革特区など思い切ってやっており、日銀も通貨を増やす姿勢を思い切って示してほしい。日銀としての経済再生のシナリオがあってしかるべきだ。
――与党には財政出動を求める声もあります。
◆2010年代初頭にプライマリーバランス(国債関係費を除く財政収支)を回復させるという目標の範囲で、柔軟に現状に対応しているつもりだ。考えを変えろというのは、財政収支の回復をあきらめろということか。それなら代案を示してほしい。
――日銀の次期総裁には何を期待しますか。
◆政策という観点では新しいことにちゅうちょしない人。民間人起用に対する期待も、そうした意味で出ているのかもしれないが、形ではなく実の問題だ。
――インフレ目標策について百家争鳴です。
◆これほど独立して議論されていることは私も奇異に感じる。デフレ対策の魔法の杖みたいな議論は不自然。通貨供給量を増やして管理し、物価に結び付けていくと、自然にインフレ目標論が出てくる。日銀にしっかりやってもらうために、場合によってはインフレ目標はそれなりに有効だ。
――株価急落などで金融危機的な状況になった場合対応は可能ですか。
◆万が一にも金融機関の経営が悪化した場合には、(預金保険法などに基づく)特別支援の枠組でやる。金融から経済の底割れを起こさせることは絶対ない。
――銀行は、増資や組織再編などの動きを活発化させています。
◆前向きに評価すべき点は評価しないと。ただ、その中身は三つのSで見る。ストラテジック(戦略的)の観点から、その場しのぎでないか。サウンド(健全)で、将来のなけなしの金を使っていないか。そして、シンシア(誠実)か。優越的な地位を利用して増資を迫ることがあれば問題。銀行という立場だけで増資を迫っても企業は応じないと思うし、応じるべきではない。
――生命保険会社の予定利率引き下げ問題については?
◆現実問題として逆ざやという深刻な問題があり、このままでは経営は非常に苦しくなるかもしれない。財産権の侵害、モラルハザード(倫理観の欠如)など、考慮すべき問題が多岐にわたり、幅広く勉強している。いろいろなところで議論が煮詰まりつつある。(毎日新聞)