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「デフレ経済の進行が続くという経済環境下において、中小企業融資を増やすことなど、どうやってもとうてい不可能なことだ。しかし、不良債権を激増させてもいいから融資を増やせというのなら話は別。この辺の事情については、これまでも金融庁に対して繰り返し説明している−」
メガ頭取がこう断言してみせる。
「それならば、金融庁はそのことをキチンと理解しているのか」という筆者の問いに対しては、「もちろん、あれだけ説明したのだから理解してくれていると思う」(メガバンク頭取)
以下に示す“ビッグ4”各行の中小企業向け貸出の実態を見ていただきたい。いずれも、2002年3月期〜02年9月期の半年間で中小企業向け貸出がどれだけ変化したのかを示したものだ。(注、▲はマイナス、単位億円)
みずほ…▲50569
UFJ…▲8326
三井住友…▲19408
三菱東京…▲7560
この実績だけに限定してみた場合、みずほが突出して減らしているのがわかる。
次に、過去1年半(2001年3月期〜02年9月期)の推移を見ていただきたい。
みずほ…▲48559
UFJ…▲33573
三井住友…▲27023
三菱東京…▲17150
「実はみずほは、01年3月期から02年3月期にかけてわずかながら中小企業向け融資を増やしていたのです。その間、他の3金融グループは大きく数字を落としていたのが実情です。みずほの場合、そのことの反動が今期(02年3月期〜02年9月期)出てきてしまったといえるでしょう」(大手都銀役員)
しかも各メガバンクの資産規模とそれぞれの減少額を比較してみた場合、
「みずほだけが突出して中小企業向け融資を減らしているということにはならないだろう。むしろ、あの三菱東京ですら1年半で1兆7000億円も減らしていることに注目すべきだ」(大手都銀役員)
というのが銀行業界の一般的な受け止め方なのだ。
「今回、みずほグループが金融庁から業務改善命令を受けたことから、同グループだけがこの問題でマスコミ的にクローズアップされているが、この一件だけはいささか同情してしまう」(前述の大手都銀役員)
ここで改めて指摘しておきたいのは、この問題に関する金融庁の対応ぶりにはいささか問題がある、という点だ。
「金融庁は自らのエクスキューズのためだけに、業務改善命令を出しているフシがある。つまり金融庁サイドとしても、今のような経営環境下において、中小企業向け融資が増やせるなどとは本気では思っていないハズ。しかしこの問題を放置することは、金融庁の監督責任問題に飛び火するおそれがある。そうした事態が起きることを回避するために、業務改善命令を出しているにすぎない。つまり業務改善命令は単なるポーズにすぎない」(大手都銀首脳)
こうした指摘は、まさに正論だ。
筆者としては、この中小企業向け融資を巡る一連の問題は、コトの本質から目をそらそうとする金融庁の姿勢こそが最も問題アリと思うが、いかがか。
金融庁の見解を問う。
2003/2/5