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UFJつばさ証券・金融市場調査部長の斎藤満さんは、「足許の景気判断が分かれてきた」と語る。日銀の「景気下げ止まり」の見方のほか、現在の位置づけを、昨年初からの回復がすでに終わって、これから悪化に向かう「曲がり角」との見方と、景気の上昇基調は崩れていないが、昨年秋から一時的な「踊り場」にあるとする見方である。
<景気先行指数が的確に「前兆」を示していない> 斎藤さんは、「踊り場論はやや苦しくなる」と言う。その理由は、景気先行指数が的確に「前兆」を示していない可能性がある。昨今、景気先行指数を押し上げているものに、@耐久消費財出荷、A最終需要財・鉱工業生産財の2つの在庫率、B新規求人などがあるが、「それぞれに気になる点がある」と言う。たとえば、耐久消費財出荷は先行指数の1つに入っているものの、必ずしも安定的な「先行性」は持ち合わせない。景気の山に対しては、時に遅行することもある(昭和55年、60年など)。在庫率については、デフレ傾向にあるためか、在庫率が上昇する前から生産調整に入るケースも見られる。企業の生産態度が変わってきているだけに、従来のような「在庫率が上がってくると、いずれ生産、景気が下降に向かう」、あるいは「在庫率がまだ上がっていないから、景気はまだ上昇する」とのシグナルにはならなくなっている、と考える。生産や景気が悪化してから、その結果として、在庫率が上がるとなれば、これは先行指数ではなく、遅行指数に入れなければならない。さらに、新規求人数も、バブル経済のころからほとんど先行性がなくなり、「一致系列化が強まっている」と言う。むしろ、遅行するケースも見られる。
<1月以降の輸出にもあまり期待はできない> これらの指標が最近の先行指数を支えているとすればとの前提で、「先行指数の上昇は、必ずしも将来の景気拡大を示唆するものではない」と語る。なお、輸出についても、11月こそ”ビッグ・リバウンド”を見せたが、12月には早くも大きな反落を見せた。7-9月の輸出頭打ちには、米国西海岸での港湾ストの影響があったことも確か。だが、11月の反発もレギュラーで、これで10-12月の輸出がまた増えた形になったものの、12月の大幅な反動減を見ると、「1月以降の輸出にもあまり期待はできない」と見ている。このほか、12月に家計消費がボーナスの減少を受けて落ち込んだ。「これらの動きから見ると、景気の足許は『踊り場』よりも『曲がり角』に入っている可能性が高い」と言う。