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「当初は、金融庁の影響力を極力排除する形で設立に向けて動き出した産業再生機構だが、ここに来て逆に金融庁との連携を強めつつあるようだ。産業再生機構にとって、もっとも重要な役割と思われる部分は、企業の再生の可否を判断するところにあることは間違いない。そして、注目すべきなのは、この部分に関して金融庁の判断が、大きく影響を与えそうな状況になっていること」
経済産業省幹部がこう指摘して続ける。
「産業再生機構としては、企業再生の可否の判断について、金融庁内に設置された『再建計画検証チーム』の協力を全面的に仰ぐ方針を固めつつあるのです。つまり、産業再生機構にとって最大の懸案事項である、いかにして問題企業の再生の可否を判断するのか、という部分については、金融庁に丸投げしてしまおうということなのです−」(前述の経済産業省幹部)
もっとも産業再生機構構想が、こうした方向に動き出したことについて、金融庁サイドはまんざらでもないようだ。
「産業再生機構が、金融庁が進める不良債権処理促進策と一体化することで、不良債権処理はよりスムーズに進むことになるだろう」(金融庁幹部)
つまり、金融庁サイドには、産業再生機構のこうした動きを歓迎するムードが広がりつつあるのが実情だ。
しかし、銀行業界では逆に、こうした動きに対して警戒感が非常に高まりつつあると言っていいだろう。
「『再建計画検証チーム』と言ったら、不良債権処理問題に関して金融庁内でもっとも強硬派で知られる検査局直属の組織だ。このチームは昨年末に組織されたばかりだが、その目的は、問題企業の再建計画に徹底的にメスを入れることにある。しかもこのチームが、“銀行性悪説”に立っていることは間違いない。そんなチームが産業再生機構に全面的にタッチしたら、産業再生機構に送り込まれた企業に続々と死亡宣告が出されることは確実だろう」(大手都銀幹部)
そもそも、産業再生機構構想を進めるにあたって、その作業の中心に位置していたのは財務省と経済産業省だ。
財務省幹部が言う。
「銀行サイドからそうした批判が出ることは百も承知だ。しかし、産業再生機構は問題企業の生死を決める“えんま大王”と称され、運営次第ではこの機構、あるいはその後ろにいる財務省や経産省に批判が集中するのも必至の情勢だったといえるだろう。しかし、そうした“えんま大王”の部分を金融庁に丸投げすることで、われわれへの批判は軽減されることは間違いない」
ここで注目すべきなのは、金融庁内で独自の動きを強めつつあった検査局が、企業再生の現場に引きずり出されたという点だ。
「まさに教条的な“検査マニュアル主義者”の集団とも言える検査局だが、実際の企業再生の現場にタッチすることで、その硬直化した考え方も少しは改まるのではないかという期待感もある」(金融庁幹部)
産業再生機構を実際にオペレーションしていくにあたり、金融庁の全面的な関与はどうやら避けられない情勢だ。果たしてこのことが、吉と出るか凶と出るか、まさに必見だろう。
2003/2/4