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コメルツ証券会社東京支店・ファンダメンタルリサ−チ部ストラテジストの宮島秀直さんは、「米国株式市場は１月28日以降、『イラク侵攻』をポジティブに織り込み始めた可能性が高い」との見方を示す。

＜現在の米株式市場の堅調さの背景に、国民の求心力＞　同日のブッシュ大統領による一般教書演説の前と後では、米国民による「イラク侵攻の必要性」に対する納得度が飛躍的に高まったことが、各社世論調査で分かった。「イラクとアルカイダは表裏一体」「米国にとってのテロの脅威＝イラクの脅威」という点に時間の３分の４を費やした演説は、9.11事件の傷の癒えない米国民にとっては、イラクを憎むべき大量殺戮テロの共犯として印象付けた、と言う。その結果、約７割の国民がイラクの武装解除を支持するに至った。こうした、「イラク侵攻に対する国民の求心力の高まりを敏感に反映したのが、現在の米株式市場の堅調さ」と見ている。

＜米政府から安保理に提出する可能性ある衛星写真＞　次の展開は明日５日、パウエル国務長官が国連安保理・外相級会合で提出する”イラクによる大量破壊兵器保有・開発を示す証拠”に対する各国の反応だ。パウエル長官は「決定的な証拠ではない」と言うが、その片鱗を示す証拠が提出される可能性が高い、と見る。ここで注目されるのは、世界最大の衛星写真サービス会社スペース・イメイジング（SI）社が、５日の会合で米政府から提出する可能性が高いとして掲げた衛星写真（一部）である。

＜査察延長期間に「重要な事実」が確認される・・・＞　まずアルカイム核開発施設について、イラク側は「91年の空爆で閉鎖されて以降、使用していない」と回答している。だが、今年１月時点で煙突から煙が立ち昇り、稼働しているのが確認できる。さらに、かつて猛毒のリジンを生成していた可能性の高いファルジャ工場についても、イラク側は91年に空爆で破壊された後、カストロール工場に替えたと主張。しかし、これだけの規模に見合ったカストロール需要がイラク国内になく、輸出の形跡もないことから、実態はリジン製造拠点であると疑われている。その上で、宮島さんは、こう続ける。「こうした隠蔽工作、違法製造の証拠が正式に示されれば、仏、独などが主張する今後４〜６週間（２月末〜３月中旬）の査察延長期間に『重要な事実』が確認される可能性はある」
＜南北戦争以来、開戦２週間の株価騰落率マイナスなし＞　また、侵攻に必要とされる兵力17万人がイラク周辺に終結するには「最低30日から45日は必要」（ウェズレイ・クラーク前NATO司令官、米ナイトリッダー紙1/27）であることから、兵站面でも侵攻は「３月初旬から中旬の可能性が高い」と見る。米大手投信の調査によると、「米国では南北戦争以来、現在まで、開戦から２週間の株価騰落率がマイナスになったことがない」と言う。このため、開戦時期が同時期とすれば、「米国をはじめとする各国の株価は３月中旬から下旬にかけて”緒戦勝利相場”で短期的には上昇することが予想される」と言う。

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