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(回答先: 日本経済これからの10年 植草一秀 野村総合研究所上席エコノミスト 投稿者 hou 日時 2003 年 2 月 02 日 14:51:16)
植草氏は積極財政論を主張しているは知っていたが、不勉強で総体的な主張は知らなかった。
「日本経済これからの10年」を読んで、あまりにもスカスカの内容に唖然とした。
植草氏は、「意識を変えろ」、「行動を変えろ」、「政策能力を高めろ」という掛け声だけを語っている。
これでは、旧陸軍や体育会の精神論とどこが違うというのだろう。
財政政策の“誤り”はそれなりに説明しているが、財政政策で持続的な経済成長を追及するためにはこれまでと違った経済構造や財政制度にしなければならないが、そのような立場を表明しているわけではない。
これまでも書いてきたが、財政支出で経済成長を追及するためには、最低でも財政支出規模を拡大しつづけなければならない。伸びたと思って財政支出を“現状維持”にすれば、そこで成長は止まる。
財政支出のサポートを緩めてもいいのは、勤労者の所得増加か輸出の増加であるが、植草氏自身、「製造業の立地は、順次アジア等の地域へ移転する。国内では製造業分野の雇用吸収力が低下する」とか、「所得水準は大幅に低下するケースが多い」と説明しているのだから、財政支出拡大を一時的なアクセルにして、内需拡大や輸出増加で自律的回復という筋書きは考えていないはずだ。
(長期的な財政支出拡大を弊害なく行うためには、これまでの国債発行→民間消化→利払い&長期償還という赤字補填策ではない仕掛けが必要であるが、そのような提言もない)
傾向的変化や精神論を語っても、現在の経済的苦境を脱却する政策に結びつくことはない。ただ、漠然とした不安感や空回りの変革意識をもたらすだけである。