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嫌われ者の役回りだった消費税の税率引き上げ要求が、政財界から続出する“珍現象”が起きている。納税者の間に「反消費税」の感情は依然として根強いが、財政事情の悪化や社会保障に対する不安の解消に向けた期待が高まっていることも事実。「消費税=反対の大合唱」の構図に変化の兆しが見え始めている。
▽消費税は別格
「58%」。政府税制調査会(首相の諮問機関)が昨年開いた税制改革に関する対話集会でのアンケートで、「将来役割を高めるべき税は」との設問に対する回答は、「消費税」が最も多かった。
消費税アレルギーが薄らいだともとれる結果だが、「あるべき税制」を旗印に、配偶者特別控除の原則廃止など増税路線に着手した財務省主税局は「消費税は別格」(幹部)と慎重な受け止め方。追い風にも警戒を緩めないのは、消費税と景気をめぐるドラマをよく見てきたからだ。
竹下内閣が消費税を税率3%で導入した1989年度の実質経済成長率は、前年度の6.3%から4.9%に下落。税率が5%に上がった97年度は3.4%から0.2%に急落し、98年度はマイナス成長に転落した。自民党は「経済失政」を問われた98年7月の参院選で惨敗し、橋本龍太郎首相は退陣した。
▽不幸な歴史の記憶
97−98年当時の日本経済は、消費税増税だけでなく、特別減税の廃止や社会保障負担の引き上げなどが集中。約9兆円の国民負担増に加え、財政構造改革による緊縮予算や金融システム不安、アジア通貨危機も重なり、景気は急降下した。その中でも、買い物のたびに税負担を実感する消費税が一番の悪役となり、「不幸な歴史」(主税局)の記憶が政治家や官僚の脳裏に深く刻み込まれた。
消費税率が現行の5%からさらに上がると、低所得者の税負担がきつくなる、消費税の逆進性の問題も避けて通れなくなる。食料品などは別に低い税率を適用する軽減税率の導入が課題に浮上する一方、景気回復のかぎを握る個人消費を冷やす恐れも大きい。
小泉純一郎首相は消費税率を「在任中は上げない」と繰り返し、歳出削減を最優先する姿勢をしきりに強調する。今は増税などの負担増に一定の理解を示している層も、行財政改革の実行を怠れば、たちまち反消費税に回る可能性が高い。そのことを首相自身が最もよく自覚しているだけに、世論の反応を慎重に見定める時期ととらえているようだ。
★ 「竹下内閣が消費税を税率3%で導入した1989年度の実質経済成長率は、前年度の6.3%から4.9%に下落。税率が5%に上がった97年度は3.4%から0.2%に急落し、98年度はマイナス成長に転落した」とわかっていながら、「デフレ不況」が継続している状況で消費税率の引き上げを追求するのは、自国経済破壊者としかいいようがない。
消費税導入が「バブル崩壊」の引き金になり、消費税率引き上げが「デフレ・スパイラル」突入の契機になった可能性が大という認識がないままで「デフレ不況」を解消する処方箋は書けないだろう。