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「金融機関−特に銀行における資産の健全性のチェックについては、“自己査定”という形で建前とはいえ、まずは銀行の自主性に負う形がとられてきた。つまりある貸出債権(融資)が正常債権か不良債権かという判断は、まず第一義的に銀行サイドの判断が優先されてきたと言えるだろう。ところがここへ来て、金融庁が実施している一連の金融検査(通常検査)では、こうした“自己査定”のあり方が否定され、金融庁のチェックが最優先されつつあるのが実情だ。これは明らかに金融庁が政策転換を行ったということに他ならないのだが、そのことに関するアナウンスメントは一切無い。すべては、なしくずし的に進められているのが実情だ」
大手都銀役員がこう指摘してみせる。
そもそもこのコメントに登場する“自己査定”とは、平成10年4月に「早期是正措置」という制度が導入されたのとあわせて実施に移された制度だ。ちなみに「早期是正措置」制度とは、銀行の自己資本の状況に応じて(1)経営改善計画の作成・実施命令(2)個別措置の実施命令(3)業務の停止命令等の必要な措置を金融庁サイドが講じることができるよう定めた仕組みのことを指す。
金融庁幹部が言う。
「平成10年4月以前は、銀行の資産の健全性については、行政当局が主導する形で検査を通じてチェックしていたのです。つまり当局指導型の健全性チェックだったのです。しかし、10年4月以降は、金融機関による自己管理型へ転換が図られたと言っていいでしょう」
ところがここへ来て、この健全性のチェックは、先の大手都銀役員によれば、“当局主導型”へ回帰し始めたというのだ。
「今月上旬にスタートする“特別検査”では、その傾向はますます強くなることは必至です。つまり金融庁、特に検査局は、“債務者区分”−債務者を要注意先、破綻懸念先といったカテゴリーに分けること−が金融機関によってバラつきがある状態を強制的に統一する方針を固めています。このことによって、自己査定制度は完全に形骸化することになります。“債務者区分”を統一するということは、企業の生死を金融庁が握るということに他なりません。しかも問題なのは、これだけ重要な方針転換が何の議論もなくひそかに進められようとしているということなのです」(大手都銀役員)
金融庁幹部が言う。
「まさに金融庁の“関東軍”−検査局の暴走が始まった、としか言いようがない。しかも、高木祥吉長官と竹中平蔵経済・金融担当相の関係が相当ギクシャクしているだけに、高木長官には、竹中大臣の“私兵”と化した検査局の動きを制御するだけの余裕がないと見ていいだろう」
最近でこそ少々トーンダウンしているものの、竹中大臣が過去の金融行政−特に柳沢伯夫前大臣時代−を全否定する形でカジ取りをしていることは間違いない。
「検査局はその“柳沢時代”に相当な不満−特に『公的資金投入ナシ』という、まず結果ありきの“第一次特別検査”に対して−を募らせていたのです。今まさに、その不満を爆発させているのでしょう」(金融庁幹部)
いよいよ“検査局不況”とも言うべき事態が発生しそうな雲行きだ。
2003/2/3