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(回答先: 日本経済これからの１０年 植草一秀 野村総合研究所上席エコノミスト 投稿者 hou 日時 2003 年 2 月 02 日 14:51:16)
☆財政政策で需要を下支えしながら、構造改革を行うが、
それでも中間層の没落は避けられないし、
ITバブルも終わったので、米国と違って
株主すら儲からないってことだってあるうる
という厳しい見通しには賛成だ。
しかし国民は、そうした見通しに従った政策に
納得するか、それとも一時的な快楽のために
バラマキを求めてまた先送るかが問題だな
愛知知事選の結果を見ると、どちらを選ぶかは明らかカモ
justice.i-mediatv.co.jp/uekusa/011022/05.html
>我々が踏まえておくべき重大な変化を二つ挙げることが出来る。第一は産業構造の大転換である。製造業の立地は、順次アジア等の地域へ移転する。国内では製造業分野の雇用吸収力が低下する。この過剰労働力は新たに日本で成立する産業に吸収されなくてはならない。その有力な候補が流通、外食、生活分野、ヘルスケア、そしてその他のサービス分野である。
90年代の米国では、これらの産業に加え、情報通信関連産業が最大の雇用吸収産業となったが、日本においてそれが成立するかどうかは明確でない。米国は情報通信関連産業において、すでに国際的標準を占有してしまっている。米国の情報通信関連産業が世界の市場に対する供給のかなりの部分を占有してしまっている。日本経済の浮上のために情報通信関連産業の強化は不可欠であるが、それがどこまで拡大し得るかは不確定である。
> 年功制は徐々に崩壊し、能力給的な色彩が強くなってくる。日本経済は今後、大きな構造調整を乗り越えてゆかねばならない。労働者は産業間での移動を迫られることになる。
1990年代の米国における構造調整は、「格差の拡大」の側面を色濃く持った。企業は競争力を回復した。また収益力も高めた。その結果、株価は大幅に上昇した。その恩恵を手にしたのは株主層である。
一方、中間労働者は没落した。国民所得に占める所得シェアは8割の人々にマイナスに作用した。富裕層2割が経済拡大の恩恵を一手に収め、残り8割の労働者階層は相対的に没落したのである。
>90年代後半の日本経済迷走の最大の要因は、経済政策能力の低さにあった。バブル崩壊後、日本経済が浮上し得る最大のチャンスは96年と2000年に訪れた。それぞれ景気回復優先のマクロ経済政策の実行により、日本経済が明確に浮上しかかった局面だ。
この経済浮上のチャンスを粉砕したのは、景気抑圧促進の経済政策の実行であった。97年度、橋本政権は未曾有の国民負担増加政策を採用し、安定軌道に移行しかかっていた日本経済を文字通り撃墜してしまった。
2000年から2001年にかけて、森政権、小泉政権の二代の政権は、緊縮財政の採用、金利引上げ政策の実行などにより、再び浮上しかけていた日本経済を墜落させてしまった。
日本経済の供給能力に見合う2、3％の成長軌道の持続をまず確保し、その中で財政収支の健全性回復、不良債権問題の適正な処理に移行すべきであったが、そうした適切な政策プロセスが採用されず、時機尚早の景気抑圧政策の実行により、日本経済の混迷を一段と深刻なものにしてしまったのである。
>経済構造の調整を促進するための景気対策を提示し、超緊縮の財政政策運営を中立に戻すことが必要である。これから日本は大きな構造調整の10年間に突入する。10年の時間を構造調整期間と認定し、様々な施策を時限措置として実行すべきである。不良債権問題の処理、財政再建に向けてのプログラムを10年の時間的視野の中で解決するプロセスを明確に示すべきである。
>当面、経済の回復基調を誘導する施策として、労働市場の構造調整を促進し、また激変緩和のための政策対応を提示することが求められる。筆者は「離職者支援制度」の創設を主張している。その骨格は、まず第一に失業保障の期間の拡大である。失業保険の給付期間を最大で2年程度に延長すべきである。第二は中高年の離職者で、例えば企業倒産により退職金さえ受け取ることの出来なかった労働者に対し、国が所得補償の支援を行なう制度を検討しても良いと考える。第三に離職者の家計が直面する最大の生活問題は、教育費と住宅ローンの問題である。離職者家計に対する住宅ローンや教育費の支援制度を創設すべきである。
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