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「石原慎太郎都知事、そして東京都の職員は、現行の法人事業税が法人所得に対して課税されることになったときの経緯についてどうやらよくご存じないようだ。もし知っていたならば、こうした課税スタイルはとらなかっただろうし、とることはできなかっただろう−−」
この発言の主は、東京都の主税局OB。決して銀行関係者ではない。
そしてこう続ける。
「そもそも、東京都などの地方公共団体に法人所得をベースとした法人事業税体系が導入されたのは、日本が戦後の高度成長期を迎えかけたときのことだ。その当時、その法人事業税体系を整備するにあたって、旧自治省を中心に地方公共団体サイドではさまざまな議論があった。そしてその際の論点の一つに、課税ベースを“所得”に求めるのか、それとも“事業規模”に求めるのか、というものもあったのです。つまり今で言う外形標準課税のモデルは、その時点ですでに構想としてあったのです」
「つまり外形標準課税は何も東京都のオリジナルなものではない。結局、その当時の議論は、『現状ではどちらをベースにしても税収はそれほど大きく変わらない。しかし将来的に企業の所得は右肩上がりに飛躍的に伸びていくだろう。したがって、法人所得をベースとした法人事業税を導入した方が、地公体の税収は拡大していくことになる。そして法人所得をベースとした法人事業税体系を導入する−−』という結論に帰着したのです。確かに、現状では低成長、あるいはマイナス成長時代に突入し、企業の所得規模は激減しており、税収は大きく落ち込み地方財政が逼迫していることは間違いない。だからといって右肩下がりになったからといって一方的に、外形標準課税を導入することはいささか無理がある−−」(前述の主税局OB)
長いコメントの引用になってしまって恐縮だが、このコメントはなかなか興味深い。
昨日(1月30日)、大手銀行だけを対象にした東京都の外形標準課税条例は違法だとして、大手銀行17行が都に税金の返還などを求めていた訴訟の控訴審判決が、東京高裁で行われた。
森脇勝裁判長は、「(都の定めた)条例は税負担の著しい不均衡を禁じた地方税法に違反し無効」とし、都に対して約1628億円の返還を命じた。
「石原知事は『勝負には負けたが、内容では勝った−』と強がりを言っているが、実質的には全面敗訴。これから大変なことになる−−」(東京都職員)
仮に最高裁で二審判決が確定した場合には、条例自体が無効とされる。その結果、東京都は提訴に踏み切っていない銀行の分も含め、約2100億円、2003年度も徴税したとすると合計で約3100億円の返還を迫られることになる。
「そうした状況に追い込まれた場合、都の財政自体が破綻することになるのは必至。石原都知事にしてもこれから銀行の経営状態をあれこれ批判することなどできなくなるだろう。都としては、銀行サイドと和解の道を探るべきではないか」(前述の東京都職員)
もっとも銀行サイドは、「過去の経緯から考えて、和解など絶対にあり得ない。表立ってはいえないが、東京都にはキチンと責任を果たしてもらう。石原知事も安易な銀行批判に乗ってしまったことを反省しているのではないか−−」(メガバンク役員)