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(回答先: なぜ広島に米軍基地か? 投稿者 楽観派 日時 2003 年 1 月 30 日 21:13:00)
楽観派さん、こんばんわ。
現実の権力機構である国家単位で見ることになるのはやむをえないことですが、国家(権力)については、『推奨書籍:ヴィヴィアンヌ・フォレステル『経済の独裁 − ネオリベラリズム批判 −』 <政治家・官僚・企業経営者・ジャーナリストも“グローバリズム”を語る前に一読を!>』( http://www.asyura.us/2003/bd23/msg/144.html )で引用した内容に近い存在だと考えています。
大黒神島への米軍夜間発着訓練地の移転問題ですが、対中シフトと考えるほどのことではないと思っています。(三宅島への移転が無理な状況で、首都圏の人口密集地にある厚木基地を継続利用するのも判決もあり困難だということで、大黒神島移転のアドバルーンを上げたというものでしょう)
ソ連崩壊後の世界で、米国政権+軍需産業(金融資本)が、最先端兵器体系構築を進める名目は中国しかありません。(対テロや北朝鮮では、相手が“非合理”でかつ非力なので、冷戦のようなつるみ方や軍備拡張政策は通用しません)
中国は、経済成長第一主義を国是とする限り敵ではなく、軍備拡張のダシとして使われる存在です。(中国の軍部や軍関連官僚・企業も、そのような米国の対応はカウンターとしての軍備拡張を支えるものなのでありがたいと思っているでしょう。かつてのソ連も、基本的に同じ存在です)
>例えグローバリズム右派と中国が根っこで同志であっても、やはり最後まで北朝鮮を
>支持した中国が無傷ですむ、アメリカとの友好関係が進むとは私には思えない。もし
>進むなら友好関係でなく隷属関係だろう。
米国政権は、自分の金を支出しないで北朝鮮の暴発を防ぐという意味で、中国の対北朝鮮政策を好ましいと思っているでしょう。(建前だけの自由と民主主義の“擁護者”である米国は、キム体制が崩壊しても、面倒が増えるだけでメリットはありません。資源はそこそこありますが、国家再建の資金まで投入して掘り出す価値はありません)
この意味で、中国の対北朝鮮政策が今後の米中関係を規定することはないと考えています。
日米を友好関係だと見るのなら、米中も友好関係になる可能性があります。(日米が隷属関係ならば、・・・です(笑))
米仏・米独・米露の関係も、友好関係か隷属関係かの判断は微妙だと言わざるを得ません。
まともな国家同士の関係は、時代的なトータルな利害勘定で決まるもので、利害勘定が動けば友好度も変わります。(それが動かないとしたら、本当の隷属関係か、統治者が無能だということになります)
米国権力機構自体が国際金融家に隷属したものですから、現在の世界経済システムで中国が経済成長を追求するのなら、国際金融家に隷属することになります。
>ところで人民元のドルペグが緩みはじめている。これは隷属関係の始まりか?ところ
>で中国はそうした経済・政策面の隷属関係を受け入れるだろうか?
米国がドル安が傾向でありドルの還流増加も期待薄と考えるのなら、人民元の安値ドルペッグを容認するというか、望むと考えています。
同じドル建て金額で、日本からの輸入であれば100でしかないものが、中国からであれば150になるからです。
日本から輸入している財が中国で生産されるようになり、それを輸入すれば、ドルの実質購買力が高くなります。(社会保障関連の財政支出が抑えられるだけではなく、勤労者の実質所得も上昇します)
米国内で生産しているものと競合する財ではなく、これまで日本から輸入していた財が安くなる話であれば、輸入物価の下落は、国内の財・サービスの価格下落を抑制する働きをします。(米国経済のデフレ抑制効果を持つということです)
人民元レートに関して、日本がわあわあ言っているのに対し、米国が無視している背景にはこのような読みがあると考えています。
以前書いたように、人民元の安値固定は輸出拡大には貢献しますが、中国国民の活動力を安く売り、外国の活動力を高く買うことですから、中国経済の力を弱体化することになります。
この意味で、人民元の安値ペッグは、隷属への道とも言えます。