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UBSウォ−バ−グ証券会社・経済調査部チ−フエコノミストの白川浩道さんは今日のポイントとして、@生産循環のシナリオ、A日銀総裁人事アップデイト を挙げる。
■生産循環のシナリオ
12月の鉱工業生産は、出荷が前月比マイナス2.1%と2ヶ月連続のマイナスとなる中で、前月マイナス0.1%と小幅ながら4ヶ月連続の前月比下落を記録した。「生産活動は昨年8月をピークに緩やかな調整過程に入ったようにも窺える」と語る。しかし 、同社では、生産の調整圧力が足元からさらに大きく強まっていくというシナリ オは想定していない。生産活動は、今後夏場にかけて「一進一退」の状態(踊り 場)を続け、秋口以降は再び緩やかな回復基調に戻るものと予想している。その背景 は、以下のとおり(ほぼ原文通り)である。なお、こうしたシナリオに対する最大のリスクは、言 うまでもなく、イラク問題を背景にした米国経済への不安感の強まりや、為替円高化による製造業収益の圧迫である。米国経済に下押し圧力が生じるとともに為替円高化が想定外に進行すれば、生産の調整圧力が短期的に強まる可能性が高ま ることになる。
<秋口以降、再び緩やかな回復基調に戻るとする背景>
(1)弊社の米国・アジア経済に対する見通しを前提とすれば、世界経済は年前半に 踊り場的な局面を迎えるものの、急激な需要縮小は見込まれず、従って、輸出数 量の急減速も予想されないこと。
(2)機械受注や企業収益といった先行指標からすれば、緩やかながらも、国内にお いて製造業の設備投資が循環的に回復するものとみられること。その回復期は1 −3月、4−6月期であると考えられる。
(3)在庫率は昨年7月をボトムに幾分上昇しているが、絶対的な水準は2000年度平 均近傍と低水準であり、在庫面から生産調整圧力が大きく高まることは想定され ないこと。
■日銀総裁人事アップデイト
様々な情報を総合すると、現在の総裁候補の確率分布は、福井元日銀副総裁が30%、中原前日銀審議委員が20%、その他候補が50%、ということになる。 福井氏は、産業界からの強い推薦が追い風となっているほか、行財政改革論者で あること、日銀の組織統治力の面で他の候補を大きくリードしていること、をプ ラス材料として指摘できる。しかし、首相は、日銀総裁人事を支持率向上のため の支援材料として利用する方向にあることから、「福井氏に決まる可能性は依然30%を超えない」と言う。対国民という面では面白い人事ではないからである。中原氏の確率が低下したのは、インフレ・ターゲット踏絵論の後退、サプライズ性のなさ 、日銀による猛反対等が背景になっている。福井、中原両氏に収まらない確率が 50%もあるが、そうしたダークホース的な候補者の中には、トヨタの奥田氏、 富士ゼロックスの小林氏が含まれる。いずれにせよ、総裁レースはまだ混沌とし ている。ただ、考えなくてはならないのは、ダークホース的な候補が民間産業界 であるため、最終的に調整が不調に終われば、現在、産業界が推している福井氏 にお鉢が回ってくる可能性がある。「福井氏就任の確率にはアップサイド・リスク があり、この点を念頭において、金融政策の方向性を読む必要がある」と言う。