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官民挙げて戦後を走り抜いてきた日本の社会は今、深刻な構造的課題に直面している。だがそのことを認識し、変革に取り組んでいくには、国民の生活、日常は豊か過ぎる。だから改革は進まない。こんな話をよく聞く。
衣食など日常生活にかかわる実質的な商品価格の低下は、明らかに国民の家計にゆとりをもたらしている。土地やマンションも随分値下がりした。都心にそう遠くないところの住まいにも手が届く。ゴルフも安く楽しめる。要するに現状は国民にとって必ずしも悪くない、むしろ豊かさを感じているということである。
でも国民は豊かさ享受への赤信号が点滅していることも分かっている。だから首相の痛みに耐えようという言葉に共感もした。
バブルの崩壊を引き金に国際水準に向かって物価が大幅に下がる一方で給与レベルは官民を問わず国際的に高い水準のままにある。それが国民の今の豊かさのゆえんでもある。だがこんな状況は長続きするはずがない。デフレ下で給与だけが高止まりしていられるわけはない。このままでは国家としての、企業としての国際競争力は完全に喪失してしまう。
ベースアップは高度成長時代の産物であり、マイナス成長からぬけられないならベースダウンは必然である。各業種、業界における今年のベースアップ要求の断念、定昇見直しはその序幕だろう。官民ともベースダウンの実施は避けられない。このまま行けば、豊かさの赤信号が点滅から赤信号そのものに変わるのはもはや時間の問題である。
担当大臣の姿勢もあり、金融改革、不良債権処理に本腰が入ってきたかのように見える。過剰債務を抱える企業の改革も一部進む気配だ。だがそれに対するブーイングの声も大きく、官業の民営化・規制緩和・特区構想等々の改革も中途半端な内容に終始している。赤信号になる前に改革が進むのかどうか、まさに瀬戸際である。(啄木鳥)