★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産20 > 162.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
http://www.asyura.us/2003/hasan20/msg/162.html
ビル・トッテン:『誰のための経団連』
投稿者 あっしら 日時 2003 年 1 月 28 日 18:47:10:


http://www.ashisuto.co.jp/corporate/rinen/totten/ow_text.php?A=1&B=567

From : ビル・トッテン
Subject : 誰のための経団連
Number : OW558
Date : 2003年1月28日
 戦後日本の復興に大きく貢献した経団連が、今、日本という社会を壊すために政府を動かしている。社会は経済のために運営されるべきではない。主役は経済ではなく、その国に住む人々でなければならないのだ。経団連:http://www.keidanren.or.jp/japanese/speech/comment/2003/spe0106.html  今の日本では、国中心といえば右翼とよばれ、人間中心といえば左翼扱いされる。しかし、国家運営において中心に考えるべきは、国と人間である。経済は道具にすぎないのだから、経済中心の考えは捨てなければいけない。

(ビル・トッテン)

誰のための経団連

 経団連は1946年、日本経済の再建・復興を目的としてつくられ、48年には適正な労使関係の確立を目的として日経連が発足した。昨年5月、両団体は日本経済団体連合会(日本経団連)に統合された。

まさに「弱肉強食」

 現在、外資系企業71社を含む日本の代表的な企業1233社、製造業やサービス業などの主要な業種別全国団体127団体、地方別経済団体54団体などから構成されている。

 かたや日本には中小企業(会社数+個人事業者数)が約4837万社あり、全企業数に占める割合は99.7%である。そして企業で働く全従業員数の約70%、3274万人が中小企業で働いている。私の経営する会社もこの範ちゅうに入り、経団連の会員でもない私はその活動について詳しくはない。

 その経団連会長が新年にあたり発表したリリースを読み、まさに強者による「弱肉強食」社会をつくるための項目事項の数々に、怒りを通り越して苦笑してしまった。日本という社会を殺して、自分の企業だけが栄えることができると、経団連は思っているのだろうか。

 日本の景気についてこう書いている。「米国経済の動向によって日本経済に大きな影響が出る懸念がある」。経団連は日本政府が発表している統計を調べたことがないのだろうか。

海外依存部分1%

 何度も述べたが、日本の経済は国内経済で成り立っている。海外が大きく影響を及ぼす部分はわずかしかなく、99%は国内経済で、海外に依存している部分は1%しかない。経済において海外に依存する部分を考える場合、全輸出から全輸入を差し引いた純輸出の部分を考えればよい。

 2001一年の日本の輸出額は国内総生産(GDP)の11%、輸入額は10%で、純輸出はGDPの1%であった。1955年までさかのぼって調べても常にこの数字はGDPの1〜2%しかない。残りの98〜99%のGDPは国内経済である。それにもかかわらず、経団連は米国経済が暴落することによって、日本に“大きな”影響が出るとみている。

 確かに、米国を市場として利益を上げている企業にとっては大きな影響になるかもしれないが、日本経済全体でみればわずか1%のことである。しかし経団連はこの1%のために日本を動かしたいと思っているようである。

 これに対して「輸出企業、特に大企業には子会社や関連会社、それからそれら輸出企業と商売をしているいくつもの中小企業があるから、その影響はとても1%とはいえない」という反論をよくされる。しかし逆も同じだ。9%の輸入企業の周りにも、同じだけの関連会社や取引先があるからだ。

 経団連が掲げる、貿易の自由化や自由競争の促進といった使命は、まさに日本をますます弱肉強食社会にしようとするものである。日本経済のわずか1%のために、日本はグローバル・スタンダードを取り入れないといけない、競争力強化のために安い賃金の中国に製造拠点を移転しないといけない、年功序列や終身雇用などもう古くさい、社員はどんどんリストラして、利益を上げていかないといけない。

 こういった考え方には、社会や共同体、国家という視点がまったく欠落している。自分の会社だけ、自分だけがよければいい。自分だけがもうかればいい、ということを宣言しているにすぎない。彼らにとって、どん欲こそがよいことなのだろう。

反論メディアなく

 デフレ対策についてはこう書いている。「デフレ・スパイラルに陥っているのかどうかを慎重に見極める必要がある。現在、安価な労働力を誇る中国の世界経済への本格的な参入、ITによる生産、開発コストの低減により、世界規模で物価が低下している。デフレのまま経済を運営すればよいとの見方もある」

 これには言葉もない。デフレのまま経済を運営し、企業倒産、失業者、自殺者、そのどれもが増え続けても自分たちには関係がないとでもいうのか。

 私がたびたび提唱しているデフレ対策である、法人税や累進課税を上げ、増えた税収分だけ社会消費を増やすというような施策が行われては、大企業経営者の個人の富が脅かされることにもなるので賛同できないのかもしれないが、あまりにも無責任な発言だとしか言いようがない。

 さらにひどいのが消費税率についてである。「消費税率の引き上げが必要だ。一挙に18%に引き上げる案と毎年1%ずつ16%まで徐々に引き上げる案を提示したが、後者の方が穏やかな選択であると考える」という。

 法人税や富裕者の所得税を引き下げるから税金が足りなくなる、だから消費税を上げよう。でも一挙に上げるとさすがに皆驚いて、ますます買い物をしなくなり消費が冷え込むから、毎年徐々に上げていけば「来年は1%高くなるから、今年に買っておこう」となり、消費にもあまり影響が出ないだろうと、本気で思っているのか。日本の国民がそれほど単純だと経団連は思っているのだろうか。

 しかし、経団連会長に対して私のような反論をするメディアはない。なぜなら経団連会員企業は広告宣伝でメディアを支配しているからだ。だからこそ「消費税増税やむなし」といった論調になるのである。


 次へ  前へ

国家破産20掲示板へ



フォローアップ:



 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。