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平成10年3月に公的資金注入を受けたメガバンクが、今年4月から利率が急上昇する「2003年4月問題」への対応に追われている。UFJホールディングス=写真=は、平成10年分の公的資金2500億円の一部を国に前倒しで返済する方針を固めた。三菱東京フィナンシャル・グループはすでに完済、三井住友グループや住友信託銀行も同様の繰り上げ償還の意向を示すなど、借金返済レースは激しくなりそうだ。
デフレ・超低金利時代のサラリーマンの資産防衛術の1つに、住宅ローンの繰り上げ返済があるが、事情はメガバンクも同じのようだ。
大手行は10年3月に総額1兆7000億円、11年に7兆2000億円の公的資金注入を受けているが、このうち問題となっているのは10年3月分。
これらの大半が、返済順位は遅いが利率が高い永久劣後債や永久劣後ローンの形で注入されており、ほとんどの銀行で6年目から利率がはね上がる「ステップアップ条項」が設けられている。つまり、今年3月までに繰り上げ償還しないと、金利負担が一気に重くなるのだ。
UFJの場合、当初5年間は基準金利に0.55−1.1%の上乗せ金利を支払っているが、4月以降は上乗せ分が1.25−2.6%と2倍以上になる。このため、金利負担が最も重い旧東洋信託銀行分の500億円を返済することにしたようだ。
UFJは不良債権処理子会社にメリルリンチが1000億円以上出資、さらにトヨタ自動車なども増資に応じる方針で、これに公的資金の一部返済という「一役」をつけ、財務の健全性をアピールする狙いもあるとみられる。
すでに三菱東京は公的資金を完済しているが、他行も、住友信託銀行が3月末までに3000億円の公的資金のうち1000億円を返済する方針を固めた。三井住友フィナンシャルグループも、永久劣後債2000億円を今年度中に繰り上げ償還する方針を打ち出している。
もっとも、UFJに投入された公的資金の総額は1兆7500億円。三井住友も1兆5010億円に達しており、返済には一段のリストラや収益力の強化が求められる。
また、2兆9490億円の公的資金を受けたみずほは当初、平成17年度に公的資金を返済する予定だったが、不良債権処理損や株式含み損の処理のため約2兆円の巨額最終赤字計上にともない、1兆円増資を打ち出した結果、返済スケジュールは逆に1年以上遅れるという事態を招いている。
財務基盤強化のため外資を含めた資本調達を急ぐメガバンクだが、新たに発行した優先株の高利率の配当負担がのしかかるといったジレンマに苦しむことになりそうだ。