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「それにしても、よくこんな“抜け穴”を考えついたものだ。その“抜け穴”を実行に移すみずほグループもみずほグループだが、これだけ問題のある施策を認めた金融庁も金融庁だ。今回の一件は、将来的に間違いなく禍根を残すことになるだろう」
みずほフィナンシャルグループ(FG)役員がこう断言する。
みずほFGが、決算期末(3月末)をなんとしても乗り切るため、まさになりふり構わぬ奇策を打ち出そうとしている。前述のみずほFG役員はその「奇策」を“抜け穴”と指摘してみせたわけだが、その中身を説明していくことにする。
筆者の手元に、「株式会社みずほフィナンシャルグループ」(以下、みずほFG社)の商業登記簿がある。同社は今年1月8日付で設立されたばかりの“銀行持ち株会社”だ。しかし不思議なことに、現段階ではこのみずほFG社の存在はほとんど明らかにされていないのが実情だ。
みずほFG社は、同じ銀行持ち株会社のみずほホールディングス(HD)を100%子会社とする形で設立されることになる。つまり、みずほ銀行やみずほコーポレート銀行などを傘下に持つみずほHDは、3月12日以降、中間持ち株会社としてみずほFGの下にブラ下がる格好となる。
言ってみれば、みずほグループは二重持ち株会社化するということにほかならない(上場会社はHDからFGに変更)。
みずほグループサイドは、こうした複雑な組織形態がとられることについて、「グループ戦略の抜本的見直しを図り、競争力向上と高度かつ安定的な収益力を確保するとともに、グループ全体の企業価値の極大化を図って−以下略−」(ニュースリリースより)と公式的には説明している。
「しかし、それは、単なる建前でしかない。本当の狙いはまったく別のところにある」(前述のみずほFG役員)
“本当の狙い”とは、何なのだろうか。
「簡単に言ってしまえば、数兆円規模で“分割・合併差益”を発生させることこそが、“二重持ち株会社化”の本当の狙いなのです。つまり、マスコミ的には“奇手、奇策”といわれた、わかしお銀行による三井住友銀行の吸収合併と同じようなことをみずほグループはやろうとしているのです」
「今回のみずほグループのケースが、三井住友銀行のケースと絶対的に違うのは、わかしお銀行が明確に実態のある銀行であるのに対し、みずほFG社はまるで実体のない単なるペーパーカンパニーでしかないという点だ。つまり三井住友銀行のケースは、“経済合理性”という観点で見るならば、一応の説明はつく。しかし、みずほグループのケースは、単なる“会計マジック”でしかない」(前述のみずほFG役員)
みずほグループは、みずほFG社を銀行持ち株会社化することによって、最大で2兆円を超える“分割・合併差益”を手にすることが可能になったという。
果たしてこんな、“会計マジック”が許されるのかどうか。明日の当コラムでは、この邦銀史上始まって以来最悪とも言える“会計マジック”のカラクリについて、具体的な検証を加えていくことにしたい。
(続く)
2003/1/28