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住信基礎研究所・主席研究員の伊藤洋一さんは、「イラクを巡る欧米の対立(フランスとドイツに対するラムズフェルド米国防長官の”古いヨーロッパ”発言などで顕在化)の結果的勝者は、案外、日本を含むアジアかもしれない」と語る。ちなみに、ここでいう「勝者」とは、「資本の受け手」「結果的メリットの受け手」という意味である。
<円は通貨の動きから受ける打撃がある程度中和> 今は米国を忌避した資本は欧州に向かっている。それ故、ユーロは対ドルで大幅に上昇している。しかし、「欧州は、日本円より急ピッチで進むユーロ高に今後、悩まされることになろう」と言う。地域全体としてみても、欧州はアジアよりも成長力が弱い。対して日本の円は対ドルでは高いが、対ユーロでは安くなっていて、通貨の動きから受ける打撃はある程度中和されている。また、アジアは比較的中東での争い、大西洋を挟む言い争いからは遠い。中国という年率8%を上回る成長率を誇る成長センターも抱えている。
<弱点のエネルギー価格も、開戦後に安定ゾーンへ> アジアが弱いのはエネルギーだが、湾岸戦争を例に見ると、原油価格が上がっても一時的で、すぐ下がる可能性が高い。1990年から91年にかけての湾岸危機(イラクのクエート侵攻)から湾岸戦争(91年1月17日〜2月28日)にかけて原油相場の展開を振り返ってみると、短期間でのバレル40ドルへの急騰期と、その直後から始まった急落期で収まっている。その乱高下期を除けば、世界の原油相場は20ドル前後で安定している。今回もOPECが「石油価格安定政策」を採用していることを勘案すると、原油相場は開戦と同時に上がっても、その後はバレル30ドル前後に安定ゾーンを見出す可能性が強い。そうなれば、「内部に強い成長要因を抱えるだけに、アメリカの対イラク戦争における予想外の勝者はアジア経済になる可能性がある」