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2003年1月23日 木曜日
ほんらい企業活動の集積であるはずの「経済成長率」に、市長が責任を持つというのも異常なら、その成長率「目標」が「北京から与えられる」のも異常。さらに、「達成できなかったら」北京の中央政府によって解任されてしまうというのも異常ではないか。こういうのを「中央集権」的社会主義というのではないか。ところが何を思ったか大前氏は≪日本の市長にもこれを導入してもらいたいと思う≫と書く。
「先進的」と思っていた広東省の新開地の行政が、かくも北京のコントロール下にあるとは、コラム子にはいささかショックだった。ところが大前氏は、朱鎔基(しゅ・ようき)総理の経済政策を賛美しつつ、同じ38頁にこう書くのである。≪朱鎔基革命で地方の自立化が進んだため、今の中国に中央集権という概念は当たらない。≫
なぜ大陸中国の工場が「在庫一掃、大処分販売」をしながらも商品を作りつづけるのか。中央政府から、全国の市のレベルにまで、経済成長率のノルマが課されているからだろう。たとえ赤字であっても生産を止められない事情を、図らずも告白してしまったのが番禺市長である。 ノルマ不達成でクビが飛ぶとなれば、とにかく工場に操業を続けてもらうしかない。それでもダメなら、統計の数字を操作するしかない。
日本の新聞にはあまり出て来ないが、米国の『ウォールストリート・ジャーナル』には、中国の年7%以上の経済成長なるものに疑問を呈する論評がしばしば登場している。大陸中国の上海周辺(長江デルタ)と広東省沿海部(珠江デルタ)の繁栄は、誰しも否定しないけれど、大中国全体の経済を7%成長に引っ張り上げるほどの牽引力があるのかどうか。コラム子など、どちらを信じるかと言われれば、やはり『ウォールストリート・ジャーナル』の辛口コラムの方を信じてしまうのだが。
(国際派時事コラムより)
「『中華連邦』は『一国二制度』以上にひどい。台湾人民は受け入れることはできない」との見解を公式に示した。 国家元首が日本の一評論家の論説に反駁するとは異例。それだけ不快感を与えた、ということである。 陳総統は、「中国が主張する「一つの中国」の原則について核心は『一国二制度』。台湾を「第二の香港」「地方政府」、あるいは「特別行政府」にするというものであり、台湾の現況を変更、破壊するものだ。これは2300万人民は受け入れることはできない、また台湾の前途を選択するのは台湾人民だけが持っている」とした。
(宮崎正弘の国際ニュースより)
大前研一氏はグローバリスト中のグローバリストである。外資系証券会社のオピニオン・リーダー的存在である。著者の略歴を見てもコンサルタントのマッキンゼーをはじめカタカナで書かれた肩書きがずらりと並ぶ。以前にテレビ東京で「IT革命」を主題にしたテレビ番組を土曜日に放送していた。言っている事は終始、英語に強くなれ、パソコンを十分に使いこなせ、といった内容であった。
確かにもっともなことですが、「IT革命」なるものは幻だった。電話や自動車の普及による革命に比べればインパクトは遥かに小さかった。中国に関する大前研一氏の見識も疑いを持たざるを得ない。大前氏が「中国崩壊論者」から「超大国中国」論者に転向したのは、ITバブルが崩壊した頃のことで、外資系証券会社の営業戦略そのものだ。この中国ブームはいつごろまで続くのだろうか。
すでに日本では何度も中国投資ブームがあり、その都度ヤオハンに見られるがごとく、身包み剥がされて追い出されてきた。とくに香港に投資してきた日本企業が、中国への返還でチャンスとばかりに、中国の経済特区に進出している。しかしそこはイギリスの植民地だった香港とは違って、共産党一党独裁国家であることを思い知るのは必然である。コラム子は次のように中国共産党を解説している。
大前氏は「共産党」の本質が分かっていないようだ。共産党というのは、社会のすべてのエリートをその傘下に集めることを目指す利権集団である。共産党の外にいるエリートは、粛清するか、社会的に抹殺するか、党内に取り込むかの何れかである。21世紀初頭にもなって、資本家の「粛清」も「抹殺」も難しいから、あとは「取り込む」しかないではないか。複数政党制で民主選挙がある台湾と、村長レベルの選挙しか行えない独裁政党制の大陸中国とでは、国家体制がまるで違う。中国共産党が資本家・経営者を入党させることにしたのは、「独裁政党」であり続けるためだ。(国際派時事コラム)
大前研一氏は中国でもビジネスを始めている。これはアメリカと同じ英語国であるインドにコールセンターをもって行ったことを応用したものである。日本語の出来る中国人に、日本で行われていたコールセンター業務をやらせてビジネスにしようとしている。まさにグローバリストの面目躍如している。しかし中国をよく知るコラム子は疑問を投げかけている。あとで痛い思いをするのは目に見えている。
これがアメリカ資本の会社なら、米国の武力の脅しで投下資本を回収することは出来るが、日本政府は何の面倒も見てくれないだろう。政府自身が中国の工作機関の言いなりになっているからどうしようもない。中国がWTOに加盟したところで何一つ変わらないだろう。中国は近代国家ではないのだから法律も、商習慣も日本とは異なる。独裁国家だから裁判を起こしても司法は独立していないから無意味だ。それよりかは賄賂を咬ましたほうが上手く行く。コラム子は最後に次のような予言をしている。
大陸中国は、数年後に何かを契機にやおら「居直る」可能性があると思う。 「WTOは、先進諸国に奉仕する『途上国植民地化』の陰謀集団だ」などと言いつのりつつ、「発展途上国の代表」と称して、「造反有理(反乱には正当な理由あり)」の旗を掲げるかもしれない。そういうとき、日本人の一定数の人々は、「反米」の匂いを嗅いで、共に燃え上がってしまう。焼け木杭(ぼっくい)に火がつくように。これは「左」と「右」を問わない。 どうか、大陸中国の 「反米への魔の誘い」にお乗りになりませんようにと、これはもう今から、申し上げておきたい。(国際派時事コラム)
大前研一氏の「中国論」のチグハグさ 国際派時事コラム:http://www.f5.dion.ne.jp/~t-izumi/china2002.htm
イラク攻撃はアメリカの自殺行為
サイトに漫画あり:http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu43.htm