現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産19 > 615.html ★阿修羅♪ |
|
大阪 1月23日(ブルームバーグ):りそなホールディングスが、1000億円規模の資本増強を検討していることが23日、分かった。不良債権処理に伴う損失額の拡大で自己資本が大きく減少することに対応するためだ。りそな広報部の児玉康氏が明らかにした。これで東京三菱フィナンシャルグループを除く日本の4大金融グループがそろって今年度下期に巨額の資金調達に走ることになった。
大手金融グループは竹中平蔵財政経済相・金融相の策定した「金融再生プログラム」が、大口融資先に対し米国流の資産査定強化策(ディスカウント・キャッシュ・フロー)の導入を打ち出したことで、今年度下期に、不良債権処理の加速を迫られている。このため、急激に自己資本が不足するのは必至の情勢だ。
2000億円相当の資産を運用している池銀投資顧問運用部の加藤浩史氏は大手行の相次ぐ資本増強の動きについて「株式市場は評価しており、安心材料と受け止められている」と語った。加藤氏によると、株式市場はすでに大手行の国有化懸念を織り込み済みで、銀行株を積極的に売ってきた外資系企業がここにきて大手行の増資を引き受けるなど姿勢が変化してきたことを注目していると指摘した。
また、富士投信投資顧問の岩本誠一郎ファンドマネージャーは「こういった増資の動きは、すでに発表したところも含めて今後、まだまだ出てくる。1兆円を集める予定のみずほでも自己資本比率が下がるためだ。いずれにしても成長性にどうやって結び付けていくか重要な課題だ」との見方を示した。
引当強化で2000億円増加も
りそなは国際決済銀行(BIS)規制では国内基準行(自己資本比率が4%)に括られる。しかし、不良債権処理の加速で、財務体質が脆弱(ぜいじゃく)化するのは大手グループと同じだ。
りそなは、昨年11月の中間決算発表時に、今期の不良債権処理額を3000億円程度と見込んでいた。しかし、金融再生プログラムに盛り込まれた米国流の引当手法を導入すると、引当額がさらに2000億円程度増加する可能性もある、と説明している。
金融庁は今月中にも、市場評価の低い大口債務企業に焦点をあてた2度目の「特別検査」に入る見通し。これによって貸出先の債務者区分の変更を余儀なくされた場合、不良債権処理額はさらに増加する可能性もある。
りそなでは、あさひ銀と大和銀の合併によって、約5000億円の合併差益を見込んでいるが、これはあさひ銀の有価証券の含み損処理に優先的に充当する方針であり、一層の資本増強が必要と判断したようだ。
4グループで1.4兆円を調達
最大手のみずほフィナンシャルグループの不良債権処理額は当初計画に比べると倍増の2兆円となる見込み。このため、みずほは今年度連結で、日本企業では過去最大となる2兆円の赤字を計上すると発表。同時に1兆円規模の自己資本増強を行うことを明らかにした。
また、住友三井フィナンシャルグループ、UFJホールディングスも同様の自己資本増強の方針を示している。これまで明らかになった4グループの資本増強総額は少なく見積もっても1兆3500億円に達している。
一方、同日付の毎日新聞は、中国ビジネスでの提携を検討している香港・東亜銀行に対し、りそなは増資計画の一環として出資を打診していると報じた。りそな広報部の児玉氏は、この点についても「今後広く増資を募るなかで、東亜銀行もその対象先の1つと考えている」と指摘した。
東亜銀行のチャン・ケイ・チュン副行政総裁は「(中国ビジネスに関しての)提携は来週早々にも契約できる見通しだ」と語った。また、広報担当のサリナ・トン氏は「現段階で、りそなとの間で、もう一段の協力関係が合意されたことはない」と述べた。
りそな株の午前終値は前日比1円(1.56%)の63円。
大阪 山口 由香 Yuka Yamaguchi 東京 広瀬 泰三 Taizo Hirose 香港 テレサ・タン Theresa Tang