現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産19 > 609.html ★阿修羅♪ |
|
雑誌で久し振りに「貧乏」についての特集が組まれ、夕方のテレビニュースで立て続けにホームレスの年越しの様子が取り上げられ、当欄にも「貧すれば鈍する」的トーンの話題が掲載されたりしています。為政者をはじめとしてたいして困っていない層の人は、デフレが、不良債権が、改革がどうしたとか、イラクが北朝鮮がと大所高所から賑やかなことですが、そんな話題どころじゃない人々が確実に増殖しているようです。本当に切羽詰まっている人々は声が出ないか出ても小さいので、結局、困っていない人による、困っていない人に都合のいい「改革」がどんどん推し進められていっている印象です。丸投げ宰相就任以来の動きをちょっとだけ並べてみましょうか。
児童扶養手当削減、医療保険自己負担増大(三方一両損だって!)、雇用手当削減、配偶者特別控除廃止、タバコ・発泡酒増税、消費税率改訂(アップ)論議……本当に「痛い」のは誰? 一方、相続税・贈与税一体化と税率軽減、登録免許税軽減、金融・証券税制軽減で実際に喜び潤うのは誰?
さて、暮れに聞いたある事柄が伏線になっていたのかもしれませんが、何年振りかでパチンコというものをしました。ずいぶん雰囲気が変わったのですね。多くても1000円、せいぜいが数百円、ちょっと打つなら100円か200円という感覚しか持ち合わせていなかったのですが、とんでもない時代遅れ。所用で出かけた医院のたった20分の待ち時間に2000円注ぎ込んで約2万円相当の物品と引き替えました。「大当たり」なのだそうです。幸運を喜ぶというよりとても複雑な気分。結局、「改革」の行き着く先はこういうこととちゃうのかな。「カジノ資本主義」「ハイエナ資本主義」という言葉がピッタリだなと思ってしまいました。横一列に並んでの出玉スピード「競争」、誰も一切相互協力なんかしない、当たればある程度でかいけどたいがい負け、負けたらもちろん「自己責任」、そして胴元は客が入りさえすれば必ず儲かるシステム……。
暮れに聞いたある事柄とは、「多くの自殺者がパチンコ屋のトイレを利用する」というもの。話してくれた人は金融業者です。なけなしのおカネを使い果たした後、さよならするのだといいます。不謹慎ですが勝負は早そう。あっけなく負けます。最近のパチンコを未経験の方、一度試してみてください。自殺者の話がすとんと腑に落ちます。その原因の多くを占めるのが「経済的」問題であることは周知の事実でしょう。10年ほど前は3万件を超えて大騒ぎした自己破産が'01年は16万件で'02年は20万件突破とか。自転車は放置するとペナルティがありますが、高利貸しは放置どころか奨励されているみたい。なぜゼロ金利時代に10%だの20%だのという高利が存在できるのでしょう。「競争」と言えば聞こえはそう悪くないけれど、弱いものが確実に蹴落とされるというだけのことでは?
で、当の医院で聞いた身の守り方のヒントを一つ。自己負担が増加して以降、薬1錠を4等分5等分して服用する高齢者が増えたのだそうです。無意味さを嗤うのは簡単でしょうが、新年早々、何が正しい・何が必要・何が効果的というような話が、ますますわからなくなってしまいました。たった一つ、自分たちの仕事の方向性だけは辛うじて見えているのですけれど、さて、どうなりますか。相変わらずの「鈍刀」でした。
ライフアンドマネープランニング 野田 眞