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[東京 22日 ロイター] 大手銀行グループの資本増強策が出そろい、株式市場で金融株はこのところ堅調に推移している。一方で、資金をやり繰りする短期市場では、3月末越えの取引に慎重な向きが根強く、金融市場の反応には温度差がみられている。欧州の格付け会社フィッチ・レーティングスは、銀行の財務状況が弱まっていることなどから、数週間以内に邦銀格付けを見直す構えで、他の格付け会社に比べて一連の増資計画にシビアな姿勢を示している。
みずほホールディングス<8305>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、UFJホールディングス<8307>と3大銀行グループの資本増強計画が出そろい、3月危機が後退したとの見方などから、22日の株式市場では引き続きサポート要因として作用。これまでの持ち合い株解消や貸しはがしの悪循環も絶たれるのではないか、との期待感も漂う。加えて、産業再生への道筋が見えてきたことで、低位株も相場を支えている。市場では、「資本増強策を評価している。銀行の利金債のスプレッドも拡大していない」(証券)という。
同様に、増資計画を前日に続き好感しているのが、ユーロ円金先取引。「増資計画の発表や金融株がリバウンドする環境のもとで、買い戻しが続き、適正水準に戻ってきた。3月末に向けた日銀のスタンス次第では、今後のTIBOR金利が低下方向に動くことも想定される」(邦銀)という。
一方で22日に実施された、財務省による期間6カ月の交付税特会借入金入札では、募入最高利率が0.085%(前回0.064%)へ上昇。短期市場では、「長期間の資金を固定することが嫌気されている」(国内金融機関)との指摘があった。3月末越えのターム物は、大手銀行による増資方針などにもかかわらず、オファーとビッドが引き続きかい離。水面下の取引は一部で観測されているものの、「年明けからテコ入れトーンが続くが、資本増強が実現できるかが問題、見込みだけでは動きづらい」(信託)、「運用サイドとしては、金融庁による大手行の特別検査なども見極めたい」(国内金融機関)と慎重だ。
みずほを含めた大手銀行グループの増資策について、厳しい目を注いでいるのが、格付け会社フィッチ・レーティングスだ。フィッチのリージョナル・マネージングディレクターのデービッド・マーシャル氏は22日、厳しい金融環境などに配慮し、邦銀格付けを「数週間以内に見直す」と述べた。
同氏は、銀行の財務状況の弱さや資本の質が懸念されると指摘。さらに、政府が銀行を支援する力量が低下しており、これらの要因が、邦銀格付けにネガティブの影響を与えると示唆した。現在の邦銀の格付けのうち、フィッチによるみずほホールディングスの格付けは、現在、長期格付けが「A─」でアウトルックは「ネガティブ」。
一方で、スタンダード&プアーズ(S&P)や、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、大手銀の資本増強策について、格付けに影響しないとしている。
金融市場では、「格付けは現在の相場のメーン・トピックではなく、変更を受けてビビッドに反応するとは思えない。もっとも、増資計画が実現できるかどうか、今後、注視する必要がある」(国内金融機関)との見方が出ている。