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小泉首相は22日の参院本会議で、首相在任中の消費税率引き上げを改めて否定した。首相としては、安易な増収策に走れば行財政改革が進まなくなるとの懸念に加え、4月の統一地方選前に増税論議は避けたい思惑があるようだ。ただ、2004年に年金制度の国庫負担引き上げが予定される中、いずれ消費税の引き上げは避けられないとの見方もなお有力で、消費税論議は当分続きそうだ。
首相はこの日の本会議で、「優先すべきは消費税引き上げではなく、徹底した歳出の見直し、行財政改革だ」と強調した。
郵政3事業の民営化に代表されるように、首相の持論は「官から民へ」だ。消費税は「安易に引き上げれば、官の肥大化につながりかねない」(首相周辺)との思いがある。2001年の自民党総裁選でも「行財政改革を進めることが先だ。無駄をなくさずに消費税率を上げると増税国家になる」と述べており、一貫した主張だ。21日夜の財界人らとの会合でも、「大事争うべし、些事(さじ)構うべからず。自分にとっての大事は行財政改革だ」と強調したという。
ただ、基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げるための財源の具体策を今年中に決めなければならないが、行財政改革による節約だけでまかなうことが困難なのも事実。
年金の国庫負担の引き上げには、年約2兆7000億円の財源が必要になる。消費税1%の引き上げで年約2兆5000億円の増収が見込めるだけに、年金の財源確保策として有力な選択肢なのは間違いない。
首相の消費税引き上げの否定については、「統一地方選を控え、あえて表に出す問題ではない」(参院自民党幹部)という解釈もある。
一方、政府は既に、消費者が支払った消費税の一部が事業者の手元に残ってしまう「益税」問題の解消に乗り出している。さらに、消費税額を商品・サービス価格と合計して表示する「内税方式」を義務づける税制改革関連法案を今国会に提出し、2004年度から実施する方針だ。
益税の解消は税率引き上げの前提と位置づけられる一方、内税方式は消費者が支払う時、「痛み」を感じないで済む。このため、22日の参院本会議でも、共産党の宮本岳志参院議員は、「消費税は増税しないと言いながら、その地ならしを進めている」と訴えた。
(1月22日23:51)