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(回答先: ベネズエラ政治危機 国際社会の仲介、本格化へ [Sekai Nippo] 投稿者 曩莫 日時 2003 年 1 月 22 日 15:47:41)
一九九九年にベネズエラで左派系ウゴ・チャベス大統領が貧困層の絶大な支持を受けて誕生した時、同国は世界有数の産油国かつ親米国家だったことから、反米政権の誕生は関係諸国に驚きをもって受け止められた。ただし、当時のクリントン政権は、米国が輸入する原油の１５％近くを供給するベネズエラとの関係を悪化させないように、民主選挙で誕生したチャベス政権と表向きは良好な関係を保った。
七〇年代から八〇年代にかけて南米で長く続いた軍事政権の多くが東西冷戦の終えんに伴うように姿を消した後、米国は“裏庭”の中南米で自由市場経済と民主選挙、および人権をセットにした「米国式民主主義」の導入に積極的だった。
それだけに、米国主導の途上国における自由市場経済導入とその経済成長に伴う社会正義の実現（ネオ・リベラリズム）が失敗したと主張し、途上国向けの代替プランを提示すると言明するチャベス大統領の出現は注目を集めた。
チャベス大統領は、国内では教育や医療制度が貧困層にも行き渡るように社会保障制度を改革、憲法改正を通じて中央集権を図るとともに、外交的にはイラクのフセイン大統領を訪問するなどの行動が目立った。
同大統領の実質的な政策は、外部に対し強い印象を与える言動以上に保守的だと南米問題の専門家たちは見ている。ただし、過激な発言や反対派から「キューバ寄りで独裁的」と言われる政治スタイルが野党陣営などの反発を買い、昨年四月には軍幹部の一部によるクーデター未遂事件も発生している。
ブッシュ政権に代わった米国も、世界同時多発テロ事件後のアフガン攻撃に関してチャベス大統領が米政権を強く非難したころから、チャベス政権に対する批判を強めた。
クーデター未遂事件後も同政権に対する反発が続く中、反大統領勢力のベネズエラ最大労組委員長らの働き掛けで昨年十二月二日より、“大統領信任投票の早期実施”を求める反大統領派によるゼネストが続いている。同月の四日からは国営ベネズエラ石油も参加、原油生産が一時は完全にマヒした。現在も国家財政を支える原油輸出の完全再開には至っていないと伝えられる。
ゼネストが長期化する中で、米州機構（ＯＡＳ）のガビリエ事務総長が先月半ばからカラカス入りして和解交渉に当たっているが、信任投票の早期実施（今年二月）を求める反大統領勢力に対し、チャベス大統領は憲法規定の今年八月以前の信任投票を受け入れられないとお互いに態度を硬化させている。国際社会は事態を深刻に受け止め始めており、国連のアナン事務総長も特使派遣を用意すれば、米国・ブラジル・メキシコなど六カ国が「ベネズエラ友好国フォーラム」を結成し、ＯＡＳの仲介作業を支援する声明を先週に出したばかりだ。
しかし、チャベス大統領は今月十九日、友好国フォーラムがＯＡＳ仲介による信任投票の実施を前提とした作業に利用されることを懸念、反大統領派を非難し、交渉の席を離れることを示唆している。
最近の主なベネズエラ政治情勢
2001年12月 チャベス大統領の政策に反発する経団連の
カルモナ会長が同国最大労組のベネズエラ
労働者連盟に呼び掛けで１０日にゼネストが
決行される。
02年２月 国営ベネズエラ石油幹部らの更迭を機に反
大統領派の労組などを中心にデモ活動等が
活発になる。数万人規模の大統領辞任要求
デモや軍幹部らによる告発が続く。
４月11日 反大統領派軍幹部らによるクーデター
未遂事件発生。チャベス大統領が軍部によ
って監禁され、反大統領派による臨時政権
が誕生。しかし、大統領派軍部らの反発で
失敗、１４日にはチャベス大統領が復権。
10月 大統領反対派による反対活動が再度活発
に。１００万人とされる大統領反対派による大
規模デモや元軍幹部らによる抗議活動が起
こる。
12月２日 反大統領勢力の労組幹部らがチャベス
大統領の即時辞任、早期信任投票の実施を
求めてゼネスト突入。４日からは国営ベネ
ズエラ石油公社も参加。原油生産は一時マ
ヒ状態に。
03年１月20日 デモが８週目に突入。２３日には反対派
による２５０万人規模のデモが予定される。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。