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高インフレの危険 2003年1月22日 日本経済新聞 神戸大学助教授 宮尾 龍蔵
【要旨】
デフレの克服のため、大量の貨幣が供給されているが、人々が貨幣を保増しているので、物価は下がりつづけている。では、インフレは起こせないのだろうか? 無制限に日銀に国債を買い上げさせることにより、日銀に対する信認を低下させれば、必ずインフレはおこる。ただし、この場合、日銀い対する信任の喪失により目標幅を大幅に超える高インフレが突然発生する可能性が高い。高インフレの利点は、過剰債務を抱える企業・家計の借金が、実質的に軽くなることだが、その利点の多くは、借金を持たない家計や企業の実質的資産の減少という不利益で相殺されよう。さらに、高インフレは利潤を生まない非効率企業の整理・淘汰を再び先送りすることになり、長期成長にもマイナスである。デフレ克服には、銀呼応の不良債権処理と不良企業の退出を加速させ、供給過剰の解消を目指すべきとともに、優良企業の収益力を高める必要がある。