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【ブリュッセル=鶴原徹也】欧州連合(EU)財務相理事会は21日、単一通貨ユーロの安定を確保するための財政基準をドイツが破り、フランスが破りつつあるとして、独仏に対し是正勧告を行った。勧告は昨年のポルトガルに続くものだが、ユーロ圏の2大国の過度な財政赤字はユーロの信頼性を著しく損ねかねない。ただ、厳格な財政基準の適用は、景気回復のための経済政策の手足を縛ることを意味し、特にフランスは強く反発している。
EU財務相理事会はこの日、是正勧告発動で採決をとり、棄権に回ったフランス以外の全14か国が賛成して可決された。
財政基準は、EUの財政安定化・成長協定に基づく。参加国の財政赤字が国内総生産(GDP)比で3%を超えた場合、財務相理事会が是正策を指示。是正策に従わない場合、GDP比で最大0・5%の罰金を科す内容だ。
ドイツは昨年の財政赤字が同比で3・7%を記録、待ったなしの是正を迫られる。シュレーダー独政権は勧告を受け入れる方針を示し、既に増税と超緊縮財政を打ち出した。
一方、フランスは昨年の財政赤字は同比2・8%で基準を破ったわけではないが、EUが目指す2006年の財政均衡にはほど遠い内容。財務相理事会は今年から同比で年0・5ポイントの赤字削減を「予防措置」としてフランスに示した。
しかし、フランスはシラク政権が国民に大型減税を約束する一方、米国との軍事力格差緩和のため国防費増額も打ち出しており、厳格な財政基準適用にはなおも反発している。
フランスのかたくなな態度は、米ドルに対抗しうる基軸通貨の座を狙うユーロの足を引っ張りかねない。
ただ、欧州経済が失速状態を抜け出せず、失業対策が依然としてEU加盟諸国政府の優先課題である中、財政基準が財政発動を含め、独自の経済政策の可能性を摘み取っている現状に対して、不満は募っている。EUの執行機関・欧州委員会のプローディ委員長は昨年、しゃくし定規な財政基準は「ばかげている」と発言し物議を醸したが、それは独仏だけでなくベルルスコーニ伊政権の本音でもある。
(1月21日22:46)