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ア然!!国会議員の危機認識の欠如
渡辺喜美
小泉劇場ロシアの巻は、アメリカの北朝鮮封じ込め政策や、北のNPT脱退宣言などによって、ウルトラCが出ないまま終了した。北の硬軟とり混ぜた瀬戸際ギリギリ外交は、演出と暴発の境界が不明確なレベルに近づきつつある。核開発やミサイル発射実験を再開するぞ、と脅しながら立ち回る金正日のしたたかさは、我が小泉座長の上を行く。
それにしても正月の各種新年会では、民間人の危機認識に比べ、国会議員の脳天気ぶりに唖然とする場面が多かった。曰く、「1400兆円の個人金融資産をもち、世界一の債権大国である日本はもっと自信をもつべきだ」、「大変だ大変だと騒いで、世の中を暗くしてはいけない」等々である。
民間経済人は、デフレの中でも安心・安全に敏感になっている消費者の信頼をつなぎとめる涙ぐましい努力をしている。一方、資産デフレの中で砂上の楼閣と化しつつある個人金融資産などをもち出し、楽観論を振りまく国会議員の危機認識の欠如には、同じ仲間ながらため息が出てしまう。
政治家は、日本が残念ながら長期衰退のトレンドに陥っていることの認識をもち、国民と共有すべきである。アルゼンチンの例を引くまでもなく、豊な資源に恵まれ、繁栄した国家が衰退過程に入ると、大衆人気取り政権が登場し、更に衰弱を早めていくのが、世の常だ。最終的に経済の破綻と社会騒擾が同時進行し、たまりにたまったエントロピーがはじける。
今年は世界同時デフレの中で、通貨の切り下げ合戦が深刻化するだろう。円・ドル関係ではそれが既に顕在化しつつある。ドル安は人民元安をもたらし、デフレ下にある中国の更なるデフレ輸出を助長する。対イラク戦が長期化したり、大規模テロが再発したりすると、「文明の衝突」という最悪のシナリオに陥る。
世界恐慌が世界大戦に発展した20世紀の歴史の教訓を思い起こすべきだ。グローバル資本主義のデフレの最終局面は社会騒乱と戦争なのだ。日本は積極果敢に危機対応をすべきだ。このような時の大原則は、お金を惜しんではいけないということだ。日銀が政府保証をつけて200兆円も出せば日本のデフレ克服は可能である。別に金を出したからと言って命までとられるわけではないのだ。
そして危機は未来永劫続くわけではないことを銘記すべきだ。必ず終わりが来て、必ず次の時代が始まる。新しい価値観はもう既に芽生え始めている。「もっと自分を磨こう」、「もっと家族を大切にしよう」、「もっと地域中で助け合おう」、「もっと世の中のお役に立ちたい」等々、何のことはない古来の醇風美俗なのである。困った時には過去を振り返ると、必ずその中に答が書いてあるものだ。