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政府税制調査会(首相の諮問機関、石弘光会長)は17日の総会から、税制改革論議をスタートさせた。小泉純一郎首相が抜本改革を指示した昨年に続く「通年税調」で、少子・高齢化時代に対応した税制を構築するため、昨年積み残した課題を中心に検討を進める。主な論点を整理した。
★年金課税
厚生年金や国民年金など公的年金の受給者は、年金収入の一定割合を非課税にする公的年金等控除(最低140万円)が適用されている。65歳以上で年収1000万円以下なら老年者控除(50万円)も適用される。
このため、所得税がかからない課税最低限は、65歳以上の年金受給世帯(夫婦のみ)で年収354.3万円。現役世代の220万円(夫婦のみ)に比べて優遇されている。政府税調は「消費税増税の前に世代間の公平を図ることが必要」と判断、公的年金等控除などの整理・縮小を検討し、04年度税制改正の答申に盛り込みたい意向だ。
ただ、03年度予算で年金支給額に物価スライドが適用され、支給額が減るうえに、年金課税の見直しで増税となれば「高齢者いじめ」との批判が高まりかねない。
★国と地方
小泉首相は17日の総会で「国から地方への大幅な税源移譲」を強調し、地方の課税自主権を高めたい考えを示した。政府は6月までに、地方向けの国庫補助金、地方交付税交付金、地方への税源移譲を「三位一体」で見直す方針で、政府税調も「地方独自の課税のあり方」を議論する。
税収不足に悩む自治体は、相次いで独自に地方税を創設しているが、産業廃棄物を出す企業への課税など「取りやすい相手」に税負担を求めるケースが目立つ。政府税調は、東京都の銀行税にも批判的で「公平・中立など税の原則に基づき、地方にふさわしい課税のあり方」を協議する。
★金融課税
「貯蓄から投資へのシフト」を進めるため、政府税調は預貯金の利子と株式の配当・譲渡損益を通算できる「金融課税の一体化」に向けた議論を本格化させる。「一体化」が実現すると、株の譲渡損を利子や配当で穴埋めして税負担を軽減できるため、株式投資がしやすくなる。03年度税制改正では、配当課税の税率が20%に引き下げられ、利子と配当・譲渡益の基本税率が同じになることから、財務省は「一体化」の前提ができたと判断している。
ただ、税務当局が個人の金融取引を一括して把握するには、納税者番号制度の導入が不可欠。しかし、住民基本台帳ネットワークへの批判のように「個人情報の国家管理」に対する懸念は根強い。このため、政府税調は同制度導入を中期的課題と位置付け、今夏にも開く対話集会(地方公聴会)で納税者の反応を見極める方針だ。【木村旬】
[毎日新聞1月17日] ( 2003-01-17-23:56 )