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東京 1月17日(ブルームバーグ):ハザマが会社分割を決めた。「株価の低迷が営業面でかなり影響」(大和文哉社長)したことが、分割に向けてハザマの背中を押した格好だ。立松修・副社長も「去年までは独力でやっていけると思っていたが、中間期を過ぎてから厳しいことが分かった。乾坤一擲(けんこんいってき)の計画を立てることが重要だと思った」と語るが、金融庁が2年前に仕組んだ予定調和的な分割である面も見逃せない。
ここに1枚の発表文がある。表題は“オフバランス化に「つながる措置」について”。金融庁が昨年11月に発表したA4サイズの1枚紙で、簡単に5つの項目を並べてあるだけだ。ごくあっさりとした、しかし、ハザマを解体に追い込み、他社に追随の動きを取らせる重要な意味を持つ紙片だ。
短い文章なので抜粋してみると、“緊急経済対策(平成13年4月6日)において、主要行の破たん懸念先以下の債権に区分されるに至った債権については、いわゆる2年・3年ルールによりオフバランス化につながる措置を講ずることとされている。今般、15年3月末に最初の適用期限を迎えることから、以下のとおり「オフバランス化につながる措置」を明確化する”――。
つまり、不良化した貸し出し資産が銀行のバランスシートから切り離され、損失が拡大する懸念がなくなったと見なされるための条件を5つ書き出したものだ。前掲した前文以下は個条書きになっており、「法的整理」「(民事調停などの)法的整理に準ずる措置」などが掲げられている。注目は3番目、「いわゆるグッドカンパニー、バッドカンパニーへの会社分割」の一項だ。
ハザマの会社分割は、本体からグッドカンパニーにあたる建設事業会社を切り出し、バッドカンパニーである不動産事業会社には価値の目減りした不動産を抱えさせる。価格の下落した不動産を、損失発生のリスクを内包する資産として建設事業会社から分断できるよう狙ったものだ。
銀行側にとっては不良債権を貸借対照表上から切り出すことができるだけに、ハザマ問題は大きな難所を乗り切ったことになる。
ハザマでは「銀行ではなくハザマで作ったスキーム」(立松副社長)と胸を張るが、ゼネコンの自力再生は時間切れとなり、落とし所は“会社分割”の名を借りた“解体”しかなくなっていたというのが本当のところだろう。
立松副社長は「不動産事業会社は2−3年以内に資産を売却し、建設事業会社の株式を51%抱えることになり、将来、整理するかどうかは未定」と話す。しかし金融庁の発表文には「分割後、整理を予定しているバッドカンパニーについては、速やかに(原則3年未満)整理するものに限る」と明示されており、不動産事業会社の存続は難しそう。
またハザマ以外にも会社分割の予備軍が控えている可能性があり、昨年の1−3月のような再編もありそうだ。
ハザマの株価終値は前日比8円(50%)高の24円。
東京 山口 義正 Yoshimasa Yamaguchi