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メガバンクはあの手この手で国有化回避策に必死。みずほの新生銀買収の仰天情報も流れる
第一生命などを中心とした1000億円規模の増資要請とは別に、国有化回避を急ぐみずほグループで、『奇策中の奇策』が密かに検討されていることが分かった。貸し剥(は)がしで集中砲火を浴びる新生銀行(旧長銀)を買収する計画で、複数の金融関係者が明らかにした。三井住友銀行があおぞら銀行(旧日債銀)の買収に乗り出したケースと同様に、自己資本比率のカサ上げが狙いとみられるが、果たして実現は可能なのか。衝撃の仰天シナリオを検討する。
昨春のシステム障害や株価の長期低迷で混乱が続く世界一の資産規模を誇る巨艦みずほと、悪名高い瑕疵(かし)担保条項という特約条項を楯に国に債権の買い取りを要求し、次々と企業の破綻の引き金を引く新生銀。
一見奇妙な組み合わせのようだが、単に世間を騒がせた者同士というだけではなく、背景に双方の思惑が交錯する。
みずほの狙いはむろん、国際ルールの自己資本比率8%を維持したうえで、同時に過去の公的資金注入の際に政府が取得した優先株への配当原資を確保し、議決権のある普通株への転換を阻止する…。つまりは国有化回避である。
竹中平蔵金融・経済財政担当相のハードランディング路線で、資産査定の厳格化や不良債権処理の加速が義務付けられ、金融庁の恐怖の特別検査も迫る。昨年9月中間決算での自己資本比率10.4%が大幅ダウンするのは必至の情勢である。
中小企業向け融資が半期で5兆円も減少したことが判明し、金融庁の業務改善命令もチラつくみずほ。今後も計画未達が続けば、融資担当役員らの解任にも発展するだけに、あからさまな貸し剥がしはできない。
優先株の配当政策として、みずほが打ち出したのが新たな持ち株会社「みずほフィナンシャルグループ」設立である。
この再々編策も「屋上屋を架す」だけの急場しのぎ。市場は嫌気して売り気配が続き、みずほホールディングスの株価は一時、10万円(旧商法の50円額面換算で100円)割れを続け、UFJホールディングスに再逆転されている。
そこで新たな資本増強策として、みずほグループが目をつけたのが新生銀行の存在のようだ。
昨年9月末時点で、新生銀の連結自己資本比率は19.92%と、まさに「資本のカタマリ」。
三井住友が自己資本比率約13%のあおぞら銀を買収すると、自己資本比率を0.5%程度押し上げる試算がある。
資本増強策の一環として、約1500億円の優先株も発行し、米大手証券会社のゴールドマン・サックスに全額引き受け要請を行ったばかり。
みずほの新生銀買収という仰天情報を明らかにする金融関係者の1人は、「買収が実現すれば、不良債権処理加速などによる自己資本の棄損を相殺(そうさい)しても、昨年9月時点での10.4%以上の効果が期待できる」と説明する。
三井住友の場合、あおぞら銀の債権回収や不振企業の再建のノウハウにも注目。不良債権の受け皿機関としての役割も期待しているとされる。
みずほグループの再々編策では不良債権の受け皿会社をつくり、5兆円分の不良債権を移管する計画が盛り込まれる。
「第一生命などを中心とした1000億円規模の自己資本増強策というだけでは、金融庁は首を縦に振らない。新生銀がみずほの不良債権の受け皿になるぐらいのスキームが必要となるのでは」(外資系証券アナリスト)という観測も浮上する。
9月中間決算で298億円の最終利益を上げ、高収益体制を築いている新生銀。あこぎな貸し渋りや貸し剥がし、国への買い取り要求を続けるのだから、利益が出るのも当たり前である。
昨年9月までに135社を破綻に追いこんだが、このうち「正常先」「要注意先」が計47社もある。
昨年5月に破綻した有名ブランド「ハナエモリ」のように、「メーンの支援あり。自力再建の見込み」と国が再建の可能性を強調していたにもかかわらず、切り捨てたケースもあった。
容赦ない貸し剥がしに拍車をかける新生銀だが、不良債権比率(貸出残高に占める不良債権残高の割合)は18.7%と高水準である。みずほが買収するとなれば、こうした不良債権をも新たに抱え込むことになる。
その際、焦点となりそうなのが、新生銀の再上場問題である。
米投資会社リップルウッドホールディングス出資の投資組合が破綻(はたん)した旧長銀をわずか10億円で買い取ったが、再上場すれば上場益が1兆円以上のボロ儲(もう)けになるといわれる。
新生銀の八城政基社長は「来年度中の上場を目指す」と強調し、その予定通りに再上場が可能なら、みずほに売却する必要性はあまりない。
問題は、再上場が困難なケースである。
再上場の認可条件の1つとして、高止まりする不良債権処理比率を大幅に下げることが必要とされるが、不良債権処理の“伝家の宝刀”瑕疵担保条項の行使期限が2月末と着々と迫っている。
「この特約の期限延長を画策する動きがある」(金融コンサルタント)ものの、世間の批判を浴びるのが確実なだけに、達成は容易ではない。
「もともと、外資系のドライな銀行だけに、再上場でつまずくなら、売却した方がよいと判断することは十分ありうる。以前から数社に売却を打診しているとのウワサも根強い。結局はリップルウッド側のそろばん勘定の問題」(前出のアナリスト)と指摘する。
三井住友はあおぞら銀買収策に加え、子会社の第2地銀、わかしお銀に“吸収合併”されるという奇策を打ち出した。
UFJはトヨタ自動車などを対象にした増資策や、不良債権処理会社を新設し、メリルリンチの出資を受けるなど増資路線に活路を見いだす。
国有化回避策になりふりかまわぬメガバンクだが、竹中氏の銀行監督の新3原則である「3S」(ストラテジック=戦略性、サウンド=健全性、シンシア=誠実さ)に照らし合わせると、疑問が残るものも多い。
新生銀買収の情報について、みずほ側は夕刊フジの取材に否定しているが、仮に実現しても、竹中氏のおメガネにかなうか、さらに市場が評価するかはまったくの未知数。メガバンクの危機は一向に遠ざからない。