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、ドルのじり安傾向がはっきりしてきた。ユーロドルが1.06ドルに接近し、3年ぶりのユーロ高となるなど、「欧州通貨に対するドルの下げが目立つ」と、UFJつばさ証券・金融市場調査部長の斎藤満さんは語る。ドル円も一時117円台をつけ、じわりと円高が進んでいる。日本の通貨当局はこの円高の動きを「不自然」とする発言が繰り返されるが、シカゴの通貨先物取引では投機資金が再び円の買越額を拡大(年末年初ともに28千枚前後の円買いポジション)しているとして、「市場では全般的なドル先安感が強まっている」と言う。
<> 今回のドル安は一般的には米国とイラク、北朝鮮との緊張が高まっていることに加えて、米国景気の先行き、米国企業の収益力に不安が広がっていると指摘される。このため、米国はいずれドル高政策を放棄するのではないか、との見方が根強い。ただ、斎藤さんはこれらに加えて次の3点もドルの下げに少なからず影響している、と見ている。
(1)欧米間の金利差がボディ・ブローのように効いている。米国のFF金利は2001年央からユーロのオペ金利を下回るようになったが、その辺りを境に、ドル・ユーロの反転が始まっている。今日、両者の間には2%の金利差があるが、このユーロの金利高がドルに対するユーロの上昇を誘導している。
(2)もう1つ、ユーロに関しては、ECBのウエルテケがユーロ高歓迎のコメントをしたことも、これを後押しした。ドイツの景気は停滞気味ではあるが、石油価格が高騰しているなかだけに、ユーロ高が水際で 原油コスト高を吸収してくれる面を評価する。
(3)一方日本は、ここまで口先介入で円高を抑制しようとしているが、それとは裏腹に、今後円高をもたらしうる材料が見られる。それも皮肉なことに政府のインフレターゲットへの執着が、かえって逆に円高を呼ぶ効果をもたらす面があることだ。インフレターゲットを設定した上で、なおかつ調整インフレ的なニュアンスが伝わると、債券市場では金利先高感が出て債券が売られ、現実に長期金利が上昇する。この過程で海外勢が日本の債券を売れば円安の金利高をもたらすが、すでにヘッジファンドなどがこれを先取りして売る動きを見せているものの、金利も為替も反応していない。むしろ、これが決まって国内銀行勢が売ってくると、それ自体は為替を動かさないが、長期金利は上昇し、国債保有で政府に信用供与していたぶんが剥落するから、マネーサプライも減る。これがデフレ的に作用する一方、長期金利の上昇は日米の金利差面から、円高圧力になる。しかも景気にデフレ圧力がかかるとなれば、一旦上昇した長期金利を狙ってキャピタル・ゲイン狙いの資本流入も予想される。これも、円高圧力だ。