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米国の戦争意図
投稿者 あっしら 日時 2003 年 1 月 15 日 16:29:36:

(回答先: あっしらさん、どうしてアメリカは戦争したいの? 投稿者 銀二 日時 2003 年 1 月 15 日 06:47:16)


銀二さん、お久しぶりです。

インサイダイーではないので推測の説明になりますが、最近の国際情勢を眺めるだけで、米国が戦争に狂奔するわけが垣間見られると思っています。


>なんで、あんなにアメリカは戦争したいのでしょうか?自分の国の経済が落ちこんで
>るこの時期に・・・

米国の土建(=公共事業)が軍事という構造から、景気対策として戦争を行っている(行おうとしている)という見方もされています。
その延長線の見方として、軍需企業+金融資本の利益を確保するために戦争を行うというものもあります。

減税(企業・高額所得者中心の国民負担減)と財政支出の増大が“一体”という奇妙な政策を実施しているブッシュ政権ですから、財政赤字のファイナンスさえできれば、軍需企業+金融資本の利益が増大することは間違いありません。

しかし、1200兆円規模のGDPで個人消費が70%を占めている米国経済であれば、軍事費が70兆円になったからといっても、落ち込んでいる経済を上向かせることはできません。(日本の90年代の公共事業積み上げと同じです)
兵器など軍需品に占める人件費率は兵器の高度化と生産設備の高度化で低下しているので、軍需産業の利益と関連産業の下支えには貢献しても、GDPの押し上げ力はたいしたことありません。

だからといって、米国が志向している戦争の目的が“経済”ではないということではありません。
大量破壊兵器や民主主義という政治的テーマを掲げているとしても、「国益第一主義」の米国の戦争目的が経済的利益であることは間違いありません。
そして、その国益(経済的利益)は、“国民経済”の回復ではなく、国際金融家の利益(通貨的富)の増大です。


● 北朝鮮とイラク

このような論議の的にもなるので米国政権も早く解決したいと考えているでしょうが、より危険と認識されている北朝鮮には宥和政策を採り、より危険性が低いと見られているイラクには攻撃のこぶしをおろさないという米国政権の矛盾的対応ぶりに戦争目的のヒントがあると思っています。
(日朝交渉がスムーズに進んでいれば、今回のような“核開発騒動”起きなかったと思っています)

大量破壊兵器の保有という観点で比較すれば、イラクよりも北朝鮮のほうが危険であることは衆目が一致するところでしょう。
欧米的基準でいう自由と民主についても、イラクのほうが北朝鮮よりも達成度が高いと言えます。(イラクは、政教分離・男女平等など欧米的基準でアラブ諸国のなかで群を抜いて高い達成度を見せています)

ブッシュ政権が戦争目的として掲げている二つ(大量破壊兵器と民主主義)のどちらもがより“劣悪”な北朝鮮は融和対象であるのに、イラクは攻撃対象になっているという矛盾は何に由来しているのでしょう。

一つは、原油など天然資源のありなしです。
次に、それらの周辺国の違いです。
最後が、経済活動を規定する価値観の違いです。

イラク攻撃には米国の石油支配の意図が隠されているというのは、反戦活動家を中心に公然と語られていることです。
私もそれを否定するものではありませんが、石油メジャーが販売を独占している状況で、石油権益のためにことさらイラクに軍事攻撃を仕掛ける必要があるのかという疑問を提示できます。
石油目当てであれば、経済政策解除や軍事攻撃放棄を餌にイラクと交渉できます。
さすがに油田をタダ取りしようという意図はなく、サウジアラビアなどで行っているように採掘料は支払うつもりでしょうから、イラク政府も、フランスやロシアに販売権を売っているのですから、その相手が米英系石油会社であっても経済的にはなんら変わりありません。

行きがけの駄賃で石油支配も実現しようとするでしょうが、それは、先進国+ロシア+中国という外部の競合に関わる問題です。(フランスやロシアの企業の権益は米英の企業に移るというレベル)


● 戦争目的は世界の“近代化”

ダラダラと書いてきましたが、米国の戦争意図は、膨大な石油埋蔵量を誇っているアラブ諸国の“近代化”にあると考えています。

“近代化”の要は、政治的民主主義や個人の自由ではなく、近代的経済システムの導入です。
(政治的民主主義や個人の自由は、近代的経済システムをスムーズに動かすための一つの政治的社会的関係の在り方でしかありません。中国を見てもわかるように、政治的民主主義や個人の自由を抑制しても、近代的経済システムは動いていきます)

アラブ諸国の“近代化”とは、経済活動規制をイスラム法やイスラム的価値観から切り離すことです。
経済活動に関するイスラムと近代価値観の根本的な違いは、利息取得をどう考えるかに集約されます。(イスラム・ユダヤ−キリスト教は、商人の宗教とも言えるものですから、利益獲得をめざす商業活動を重視することでは共通性があります)

中国も北朝鮮も、打ち捨てたに等しいのですが一応共産主義という近代主義価値観を基礎としており、利息取得を禁止しているわけでありません。
中国が経済成長第一主義に走り近代世界経済システムに自ら組み込まれることを望んできたように、北朝鮮も、米国・日本・韓国との関係改善を機に、経済成長第一主義に向かうと予測しています。

今回の対イラク戦争は、イラク一国をターゲットにしたものではなく、天然資源に恵まれたアラブ諸国を全面的に近代経済システムに組み込むための端緒だと考えています。
天然資源の取引でアラブに流れ込む通貨を近代金融システムを通じて吸い上げる条件をつくるために戦争を始めようとしていると見ています。

このような見方から、現在のターゲットはイラクだけですが、イラクの後は、イラン・サウジアラビアそして湾岸諸国へと“近代化”の対象が拡大するはずです。
現在の支配層が“近代化”を受け入れれば戦争にはなりませんが、支配層がそれを拒めば戦争となり、支配層が受け入れても、国民が反対活動を展開すれば「反テロ戦争」が展開されることになると予測しています。

グローバリズムの仕上げがイスラム諸国の“近代化”であり、今回のイラク攻撃は、そのための第一段階だと思っています。

このような見方をしているので、今回の戦争を「対イスラム戦争」と捉え、“世界の獲得”をめざす国際金融家が戦後世界経済の行き詰まりを認識したなかで起こす「最後の大決戦」だと規定しています。

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