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「インサイダー疑惑呼ぶ独裁的手法」
竹中大臣は銀行への資本注入と金融再生プログラムによって3月危機を回避すると明言している。しかしその独裁的手法と不透明な情報開示が投資家を疑心暗鬼に陥れている。
第1に、竹中大臣は一方で銀行への資本注入や国有化や株主責任の追及を主張しているから、銀行株の上場を維持すると明言しない限り株主は銀行株を売る。その銀行株の暴落が市場不安を増幅している。
第2に、谷垣氏が銀行や企業の生死を審査する産業再生担当大臣に就任した。そうなると最も重要なインサイダー(内部者)情報が谷垣大臣とそのスタッフに集中するから、審査の行方を早く知りうる政治家と投資家がぼろもうけする。
第3に、木村剛氏が倒産を主張した30社リストのうち90%は営業利益と経常利益が黒字であった。魔女狩りに等しい黒字倒産論の根拠よりも、木村氏が竹中氏に影響力を持っているという噂で30社の株価が暴落し、政権に参画するとさらに暴落した。
公平で透明で迅速な情報開示はインサイダーの暗躍を防ぐための絶対条件である。中国は共産党一党独裁の必然的結果としてコネとインサイダーに汚染されたから株式市場が信頼されない。政府が企業の生死に介入する独裁政治はインサイダーを誘発する。
「デフレスパイラルに陥った日本経済」
前9月中間決算で大半の企業が借入金を大幅に減らした。竹中大臣が銀行の過剰融資と企業の過剰債務を目の敵にするから、今年も法人のなり振りかまわぬ持ち合い解消売りが株価を圧迫している。
金融庁と日銀の銀行検査マニュアルによれば10年分の営業利益で償却できない借入金は不良債権とみなすという。設備の7年償却は当然であるが、税法から見ても不動産や株式を10年で償却するなんて不可能な要求である。
しかし、逆らえば不良債権の名指しを受けてつぶされるから、借金の多い企業は一斉に設備投資をやめて株式や不動産の処分に走る。デフレスパイラルの進行は強権政治が招いた必然的結末である。
竹中氏や木村氏によれば、日本は供給過剰で需要が足りないから、借金の多い企業をつぶせば供給が減って需給関係が均衡し、つぶした企業の資金を成長企業に回して産業構造を改革できるはずであった。
だが、現実にはすべての企業が倒産を恐れてリストラを優先するから、失業者が増えて設備投資が減り、株価と地価が暴落し、肝心の需要が落ち込んだ。自由な市場の機能と心理を凍らせた机上の理論が不良債権を増幅し、深刻なデフレスパイラルを招いた。
「日銀新総裁のインフレ目標に活路」
そんなときに日銀総裁の任期切れが3月に迫った。小泉首相は次期総裁をインフレターゲット論者から選ぶと言明している。さもありなん。今や政府の財政政策が行き詰まり、活路は日銀の大胆なインフレ政策以外に見出せない。
インフレ目標は日銀による国債引き受け、ETF(株価指数連動型株式投信)の買い付け、不動産投信の買い付けの3点となるだろう。株式や不動産を投信で買い付けるのはインサイダー疑惑を防ぐためである。
昨年も、銀行が保有する株式を日銀が買い取ると速水総裁が見え見えを切ったとき株価が急騰したが、金額が2兆円にしぼむと株価もしぼんでしまった。
しかし新総裁がインフレ目標を設定すれば日銀は目標を達成するまで買わなくてはならない。買い手不在の市場に断固たる買い手が出現するのだから市場心理を一変させるだろう。
バブル再現に対する批判が多いが、私はバブルなくして不良債権もデフレスパイラルも終息しないという現実の方が重いと思う。
http://www.kyas.com/club9/c9/c9_459.html