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景気を泥沼化させたことで歴史に残りそうな小泉首相(右端)。産業再生も谷垣担当相(左端)にまた丸投げ?
恐怖のデフレ深刻化で、景気回復は「死に体」に−。景気の現状を示す指数が急激に悪化し、1月の月例経済報告でも、景気判断の3カ月連続下方修正を迫られそうだ。政府は、大口不良債権の“飛ばし先”とも揶揄(やゆ)される産業再生機構の“見切り発車”で3月危機の回避を図りたい考えだが、景気回復は戦後最短に終わる恐れが強まってきた。
昨年3月に「一部に下げ止まりの兆し」と判断を示し、5月に竹中平蔵経済財政担当相が「底入れ」を宣言してからわずか8カ月。10日に発表された11月の景気動向指数で、景気の現状を示す一致指数が10カ月ぶりに判断の分かれ目である50を下回った。これは、景気が下降局面に突入したことを意味する。
第一生命経済研究所のの川崎真一郎主任研究員は「景気は昨年8月までに山を付け、すでに後退局面入りした可能性を否定し得ない」と分析する。
企業の生産や個人消費の落ち込みは深刻で、17日に予定されている1月の月例経済報告でも、景気の基調判断を3カ月連続で下方修正することが濃厚だ。
戦後の景気拡大局面でもっとも短期間だったのが、昭和50年3月から52年1月までの22カ月だが、今回の景気回復は、戦後最悪の約1年となりそうだ。もっとも、その短期間の回復局面も、平均株価は8000円台、完全失業率も最悪水準にあり、回復した覚えがないのがサラリーマンや経営者の実感ではないか。
個別の状況をみると危機感は一段と募る。2月決算の流通企業では、ダイエーが売り上げ低迷で通期の目標達成が厳しい状況。西武百貨店も金融支援を求めるなど綱渡りの状態だ。
ゼネコンやノンバンクにも再建のめどが見えてこない問題企業が存在しており、一つ間違えばこうした企業に巨額の融資を行っているメガバンクへの致命傷ともなりかねない。
2月決算、3月決算を前に、政府は銀行から不良債権を買い取る産業再生機構を、早くても4月以降となる正式発足を待たずして今月下旬から実質的に始動させ、各企業の再建可能性を検討し始める。
竹中氏は「3月危機は起こさない」と強調するが、この発言自体、3月危機が身近になっていることを意味する。
こうした中、市場関係者の間では、「インフレ目標を定めて金融緩和を行い、デフレという異常事態から脱却することが最優先」(外資系証券会社エコノミスト)という「リフレ」論が強まっている。
自民党の一部のほか、竹中氏自身もインフレ目標導入を主張しているのだが、同時に不良債権処理の加速を進めており、「アクセルとブレーキを同時に踏む」(同)ような矛盾した政策に突き進みかねない。
さらに今年に入って急浮上したのが消費税の増税論議。前出の川崎氏は「デフレに苦しむ国において、減税や追加財政支出の前に増税の議論が進むことは理解に苦しむ」と批判する。
米国のイラク攻撃や北朝鮮情勢の緊迫化など、世界経済が抱えるリスクは高まる一方。
北朝鮮の瀬戸際外交ではないが、瀬戸際状態の日本経済。景気回復が最優先のはずだが、デフレ克服の目標時期を先送りしながら、不良債権処理を予定通りに進める“二枚舌政策”の竹中氏。日本経済は、矛盾政策と問題先送りによって、不透明感を深めている。