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UBSウォ−バ−グ証券会社・経済調査部チ−フエコノミストの白川浩道さんは今日のポイントとして、「日銀総裁人事(アップデイト)」を挙げる。
<新日銀総裁に求められる「3条件」とは?> 日銀総裁レースは混沌としてきた。決定のタイミングは2月中旬にずれ込みそうであり、候補者の決め手もなくなったとしながらも、「我々の金融政策に関するシナリオは変わらない」と語る。政府は、「ベースマネー伸び率ターゲット、円安誘導 、イールドカーブ・フラット化」を目指すであろう。次期総裁は、この3点に最もはまり易い人物となると見る。こうして、日銀総裁人事に関する同社の基本シナリオを修正した。修正後のシナリオは以下のとおり(ほぼ原文通り)であるーー。
(1)総裁人事の決定は2月中旬までずれ込む公算が大きくなった。現状では、2月の日銀決定会合(13、14日)直後の決定が有力視されている。
(2).決定が遅れている背景は2つあるとみられる。1つは、総裁候補に関する合意 が、首相、与党、財務省の間で依然として採れていないこと。2つめは、決定を遅らせることによって日銀に対する政治的圧力を維持しよう、という戦略的な意図が働いていること、である。早期に総裁人事を決定した場合、日銀が新体制まで政策を凍結するリスクがあり、政府がこれを嫌っている。
(3).総裁候補の決め手はなくなった。総裁レースはかなり混沌としてきた。中原元 審議委員の確率が55−60%から20%程度に低下する一方、福井元日銀副総裁の確率が10%から20%程度に上昇した。尾崎国民生活公庫総裁の確率も20%程度である。従って、これら3者以外の可能性が40%程度あるということである。
(4).3者以外の候補には、田中直毅氏が含まれているが、これも決め手はない。これまで具体的に名前が殆ど挙がって来なかった、まさにダーク・ホースが出てくる可能性が高まっている。
(5).ダーク・ホースはどんな人物であろうか。我々は、量的緩和の追加に積極的であり、かつ円安論者である一方、インフレ・ターゲットの導入にはあまり前向きではない人物、であるとみている。要するに財務省の描くシナリオ(=ベースマ ネー・ターゲット、円安誘導、イールドカーブ・フラット化の3点セット)に最もはまり易い人物になるということである。
<インフレ・ターゲットの導入の可能性は低下か> 前号のアドバイザーでは、「政府・財務省による政策課題は、日銀に一定のベースマネーの伸び率を維持させ、円相場への上昇圧力を抑制すること、になるだろ う」と、指摘した。次期日銀総裁に誰が任命されるにせよ、「金融政策の次なる枠組みがベースマネー伸び率ターゲットである、との見方に変わりはない」。日銀は年央までにベースマネー伸び率ターゲットへの移行を余儀なくされている、という基本シナリオを維持したいと言う。なお、我々のインフレ・ターゲット導入に関する見方も大きくは変わらない。年内(時期的には、来年度予算編成作業との関係か ら10、11月が山場になるとみられる)にインフレ・ターゲットの導入が決定される可能性は皆無ではないが、「政府・与党のインフレ・ターゲットに関するスタンスは一枚岩ではない」。そのほか、中原氏のような、インフレ・ターゲット導入積極派が次期総裁に就任する可能性が低下したことから、「基本シナリオとして、同政策の導入を予想できる状況にはない」と言う。