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BNPパリバ証券会社・経済調査部チ−フ・エコノミストの河野龍太郎さんは、これまでも米国の通貨政策を巡っては、「ドル安でメリットを受けるIndustrial People(産業界)とドル高でメリットを受けるFinancial People(金融界)の間で、綱引きが繰り返されてきた」と語る。90年代後半以降はどちらかといえば、海外からの安定的な資本流入で米国経済の繁栄が続いたといった認識が政策当局者の間では強く、通貨政策を巡ってはウォール街に代表されるFinancial Peopleが優勢だった。 その上で、「景気低迷の続く現在はどうでしょうか?」と自問する。
<「ドル安進展は避けたい」が、米財務省の考え・・・> ワシントンやNYなどで、常日頃から政策当局者と接触を行っている河野さんの友人から聞いた話として、こう話す。「米国の財務省の見解は 『現在は、経済そのものよりも資本市場の不安定性の方が大きな問題なので、少なくとも、経済全体から見ればドル高の方が望ましい』とのこと」。確かに、2002年後半の米国は、景気が悪いから株価が下がったというよりも、株価が大幅に下がったから景気回復が抑制されたように見える。ドル安政策を採れば、資本市場が真っ先に打撃を受ける。もちろん、産業界からはドル安政策転換への要請は強いが、「現段階ではやはり根っこのところでは、ドル安進展は避けたいと米財務省は考えているようだ」と言う。
<米国はドル安利用も視野に入れた金融政策採用も> ただし、米国でも低成長が続けば話は変わる(河野さんは米国経済の緩やかな回復をメインシナリオとしているので、ここでの想定はリスクシナリオ)。例えば、プリンストン大学のクルーグマン教授は、米国経済の需給ギャップが現状の水準で推移すれば、GDPデフレーターで測った物価上昇率は今年夏までにはマイナスに陥るリスクがあると予想している。バーナンキFRB理事がデフレ対策としてドル安に言及するのもこうした背景がある。デフレの可能性が高まれば、日本の二の舞を演じることを避けるために、「米国はドル安の利用も視野に入れた金融政策を採用する」と見る。普通の国は、金融緩和をするとそれが自国通貨の減価につながるのは 当然。それにしても不思議なのは、「デフレが続いているにもかかわらず、経済の体力を大幅に上回る円高水準を結果的に受け入れている日本政府の行動」だと言う。