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東京 １月10日（ブルームバーグ）：金融庁は10日、証券取引等監視委員会による検査の結果、法令違反行為が認められたとして、アイエヌジー証券東京支店とクレディ・リヨネ証券東京支店に対し、一部業務停止命令と業務改善命令などの行政処分を行ったと発表した。

アイエヌジー証券東京支店に対して金融庁は、14日から16日までの３日間、デット・マーケッツ部の業務停止命令と、内部管理体制の充実と強化、再発防止策の策定などの業務改善命令を行った。

金融庁によると、アイエヌジー証券東京支店は特定の法人顧客に対し、顧客の保有するほとんど無価値の償還期日直前の債券について損失を先送りさせることを目的に、損失を転嫁する新たな債券を取得させた。さらに、新たな債券の発行に伴い発生する費用を別の債券を取得させることで負担させるスキームを提示し、顧客が損失を表面化させないことを可能にすることを約束して、有価証券の取引の勧誘を行った。

証券監視委は2002年12月19日、アイエヌジー証券が顧客に損失先送りを目的とする取引勧誘を行ったことが証券取引法に違反するとして、金融庁に行政処分を勧告していた。

また、金融庁によると、クレディ・リヨネ証券東京支店は、承認や届け出の必要な業務について、承認や届け出なしに５つの業務を行っていたほか、グループのクレディ・リヨネ銀行と電子情報処理組織を共有していた点で法令に違反した。このため、クレジット・デリバティブ取引などの４業務について14 日から20日までの５営業日間の停止と、特定法人などの業務遂行のための業務について３月10日までの２カ月間、承認申請の禁止を命じた。

今回の措置に対し、アイエヌジー証券アジア広報責任者のシール・コーリ氏は10日、「今回の行政処分を厳粛に受け止めている。このような事態の再発防止に向けて、対策を講じており、法令順守の一層の徹底に向けて全力で取り組む」とするコメントを発表した。

また、クレディ・リヨネ証券東京支店のドミニク・ブランシャール支店長は同日、「クレディ・リヨネ証券は、これによりお客様にご迷惑をおかけすることになり、誠に申し訳ない。今回の指摘事項を厳粛に受け止め、内部管理の抜本的な改革を通じ、全社を挙げて再発防止に取り組む」とするコメントを発表した。

東京 林 純子 Junko Hayashi

日向 貴彦 Takahiko Hyuga

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