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東京 1月10日(ブルームバーグ):保有契約高で国内5位の朝日生命保険の藤田譲社長は10日午後、日銀本店で会見し、2004年中に実施する予定だった株式会社化を延期し、ミレアホールディングスとの経営統合計画をいったん見送ると発表した。契約者の不安心理を払しょくするため、利益率の高い保険商品の販売を強化するなど一段のリストラ策も同時に公表した。
藤田社長は、最近の株価低迷などで株式会社化の手続きを計画通りに進めるのが難しくなったとしたうえで、「(ミレアグループが目指す)生損保融合の理念は間違っていない。経済環境を判断し、株式会社化を目指す」と述べた。いったん白紙となるミレアとの統合も引き続き検討していくという。ミレア側も今後、新たに申し入れを受けた時点であらためて検討するとしている。
リストラでは、内勤従業員4000人体制の構築、支社・営業所の統廃合、事業費総額1600億円への圧縮など、2004年3月をめどとしていた従来計画を1年間前倒しでほぼ完了。加えて、収益性を高めるための新たな評価基準を導入するほか、介護保険など利益率の高い「第3分野」商品の販売を強化する。
そのほか、経営効率を上げるために、拡大戦略をとっていた営業職員を再配置するとともに育成に注力することで、営業職員の離職率を低下させる。報酬も実績給の割合を高め、さらに収益に連動するような体系にする。これらにより2006年3月期予想の基礎利益を900億円とし、基礎利益率(ROA)を従来目標の1.5%から1.7%に上方修正した。
また、2004年3月までに保有株式の残高を総資産の8%に削減するほか、含み損の一掃、2002年9月末時点で21社あった関連会社の整理・統合も加速し、 10社まで減らすなどのリストラ計画も引き続き推進する。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は今回の発表を受け、朝日生命の格付けにはミレアからの支援の可能性は織り込んでいないと指摘したうえで、「今後、解約が著しく増加するか、財務内容の再構築が遅れた場合には、さらに引き下げ方向で見直すこともある」との見解を示した。S&Pは同社の保険財務力格付けを「CCC(債務の履行は事業環境に依存している)」としている。
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