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(回答先: あっしらさんへ 投稿者 せいがく 日時 2003 年 1 月 09 日 15:50:17)
4、5年で「対外債務国」に転落するということはないと思っています。
可能性があるのは、経常収支の赤字国に転落するという事態です。
現在は貿易収支・所得収支とも黒字での経常収支黒字(5兆円+5兆円で10兆円ほど)ですから、経常収支が赤字になるのは、貿易収支の赤字が徐々に拡大して、所得収支の黒字を上回る事態が生じたときということになります。
(今後短期間にメガバンクが外資の手に渡ることになれば、所得収支の黒字が大きく減少したり、赤字になることも考えられます。また、米国連邦政府が、デフォルトした場合も同じことが考えられます。それらがなければ、所得収支は黒字で推移するはずです)
経済状況と経済政策がこのまま推移すれば、2、3年後くらいには貿易収支が赤字に転落すると予測しています。
その主要な要因は、世界同時不況による輸出の減少とデフレ不況下で利益を追求するために低コスト国に移した生産拠点から日本に持ち込まれる財が増加することですが、中国や韓国の企業の技術力やマーケティング力が現在の水準でとどまっているわけではないので、それを原因とした貿易収支の悪化も生じます。
(日本企業と競合する中国企業が台頭すれば、中国に進出している日本企業の収益が圧迫されるので、所得収支も減少することになります)
経常収支が赤字になれば、GDP規模を維持するためには、対外債権を取り崩すか対外借り入れが必要になります。(国内貯蓄は財政赤字及び借り換え債をファイナンスする範囲しかありません)
対外債権が海外子会社の株式や不動産などであれば取り崩しが難しいだけではなく、米国債や米国株式であっても、売却はそれらの暴落をもたらす可能性があるので大量の売却は政治的に難しいと予測します。(米国債については、デフォルトはないあいだは購入圧力さえ加わるでしょう)
そうなると、経常収支の赤字補填を対外借り入れに依存することになります。
このようなことから、バランスシート上の対外債権債務は債権がプラスでも、実質的には「対外債務国」と同じような状況に置かれることも考えられます。
そうなれば、ことさら円安誘導策を採らなくても円安になる可能性が高いと思っています。
(円安が円安が呼ぶ危険な円安で、ハイパーインフレになる可能性もあります)