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(回答先: 朝日生命、ミレアとの統合見送り [日本経済新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 1 月 09 日 15:05:50)
藤田譲・朝日生命社長(左)と東京海上火災、日動火災の両トップが「3本の矢」でミレア結成で手を携えたが、朝日生命は結局、統合を断念した
朝日生命保険は、平成16年に予定していた持ち株会社「ミレアホールディングス」への統合計画を断念し、東京海上火災保険、日動火災海上保険と作るグループ関係もいったん解消する方向で最終調整に入ったことが9日、明らかになった。保有株の含み損や低金利による逆ザヤ、契約解約増により財務基盤が悪化したためで、今後は単独での経営効率化によるサバイバルを図ったうえで、再度、経営統合を模索することになる。
二転三転の末、統合見送りの「決め手」となったのは、朝日生命の体力の低下だった。
新規契約高が11%減の一方で、解約・失効高は37%増。9月末の保有国内株式の含み損は2113億円と前期末からほぼ倍増している。
運用利回りが予定利率を下回る逆ざやも、1000億円弱が見込まれる。
予定通りの統合を模索する朝日生命側に対し、東京海上などミレア側は最近、統合に消極的な姿勢となっていた。
朝日生命は統合するのに際し、現在の相互会社から株式会社に転換する必要がある。
契約者に株式を割り当てるケースが一般的だが、体力低下で割り当てへの市場の理解を得るのが難しく、契約者の同意も得にくいとの側面も統合断念の背景にある。
今後もミレアの損保商品の代理販売を継続するものの、グループとしての関係はいったん解消されることになるとの見方が強まっている。
ミレア保険グループのうち、東京海上と日動は昨年4月、ミレアホールディングスを設立して経営統合した。
朝日生命は当初、平成16年春に合流する予定だったが、経営が悪化し、風評被害なども受けて顧客解約数も増加したため、13年11月、当初の統合計画を1年前倒しし、今年3月に統合する計画を発表した。
だが、東京海上の株価は統合を嫌気して急落。東京海上側も「経営体質の強化を自己責任で図ることは、ミレアグループの前提だ」と朝日生命への資本支援を否定したことで、前倒し案も撤回され、結局、昨年1月、再び、16年春の当初計画に逆戻りしていた。
朝日生命は、経営統合について「16年をメドという方針は変わらない。(株式会社化などの)準備も着々と進めている」と強調していたが、統合計画そのものが白紙に戻ることになった。
今後、単独で経営効率化を図るが、昨年9月末で、内勤職員が前期末比430人減の4907人、事業経費は前年同期比11%減となった。
保有株式残高も2000億円近く圧縮し、昨年は2回にわたる基金積み増しも行い、経営健全性の代表的指標であるソルベンシーマージン(保険金支払い余力)比率も414%と、昨年3月末の水準を維持するなどリストラは順調に進んでいる。
今後は法人取引をさらに縮小して、採算性の高い個人保険の販売に注力するなど、経営基盤を強化したうえで、改めてミレアとの統合策を検討することになる。
その一方で、統合断念がイメージダウンとなる恐れもあるうえ、朝日生命の場合、保有株式の含み益がなくなる平均株価の水準は1万2500円とハードルが高いことなど難題も少なくない。
ミレア保険グループの結成については、「生損保融合型のビジネスモデル」を描いてきた東京海上が、東京海上あんしん生命など生保子会社だけでは限界がある生保の商品開発力を、朝日生命のノウハウで補おうという狙いがあった。
ミレアは異なる企業グループや個人、JA、信金など、さまざまな事業基盤を持つ会社が連携し、互いの基盤に共同開発商品を売りこむことで成長を確保する方針を持っていた。
だが、昨年8月には、共栄火災海上保険がミレアから離脱し、全国共済農業協同組合連合会(全共連)に傘下入り。JAや信金、生活協同組合に基盤を持つ共栄火災の脱退で、ミレアは成長の大きな糧を失っている。
今後、朝日生命がグループから完全に離脱するようなことがあれば、ミレアの生保事業が弱体化するのは確実。ミレアグループの経営戦略も、根本から見直しを迫られることになりそうだ。