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来年の公的年金への国庫負担引き上げをにらみ、消費税率(現行5%)の引き上げ論議が熱を帯びてきた。年明け早々、財界首脳が段階的アップ後の最終16%をブチ上げるなど、経済界が必要論で足並みをそろえ、閣僚や与党内からも同種の発言が相次ぐ。デフレ不況による税収不足で年金財源確保に消費税を当てにするしか妙案がないためだが、『丸投げの殿』小泉純一郎首相の経済失政のツケを、失業と給与カットにあえぐ庶民に押しつける恐怖の増税構想がベールを脱ぎ始めた。
消費税アップを促す声は、小泉首相が昨年末の報道各社インタビューで「消費税論議は欠かせない」と発言したのを機に、一気に点火した。
「(所得税や法人税など)直接税と(消費税などの)間接税の比率を見直して、間接税をもう少し強く負担してもらわざるを得ない」(塩川正十郎財務相)
「税は広く薄くが正しい」(麻生太郎自民党政調会長)
年明け早々、閣僚や与党内から堰(せき)を切ったように、消費税率引き上げを求める声の大合唱が続いている。
背景にあるのは、ついに来年に迫った年金制度改革である。少子高齢化の進展で膨張を続ける社会保障費に対応するため、基礎年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げる。
だが、景気低迷で税収が歳出の半分しかない現状では国債乱発で財源を賄うのも限界だし、首相が言う歳出削減だけで賄うのも論外だ。
公約で国債発行30兆円枠を声高に叫んだ小泉首相としては、国債発行に頼るのは避けたい。
そこで安定財源の候補として浮上した消費税だが、自らの失政で景気低迷を招いたことから、現状で増税すれば景気が一層悪化して、橋本政権の二の舞で政権クラッシュの危機に陥る。
このため、言い出しっぺの首相が7日になって、「私の在任中は引き上げない」と慌てて発言を修正、及び腰なのだ。
こうなると、年金改革先送りしかないが、それで困るのが経済界。年金の国庫負担割合が現行のままだと、増大する社会保障費を企業と従業員で折半する保険料で賄わざるを得ず、その負担が企業経営を直撃する。
日本経団連の奥田碵(ひろし)会長は年明け早々、2004年度から毎年1%ずつ消費税率を上げ、2014年度に16%で据え置く案を提言した。
「消費税は所得税より幅広い層が納めるうえ、法人税や企業が負担する保険料よりも経済成長に対する影響が少ない」
段階的に引き上げれば、安いうちに買おうと駆け込み需要が生まれ、「デフレ懸念を払拭(ふっしょく)し、住宅投資や個人消費を喚起する」と、都合のいい理屈で経済オンチの首相を翻弄(ほんろう)している。
6日の共同記者会見では、日本商工会議所の山口信夫会頭、経済同友会の小林陽太郎代表幹事も「将来の税率上げは避けられない」と、経済3団体が消費税増税で足並みをそろえた。
デフレ克服の決定的な処方箋(せん)がないまま、財布のヒモが一向に緩まない国民の1392兆円もの金融資産を毎年1%の消費税上げで追い立て、無理やり消費させようという恐怖の増税シナリオがいよいよ動き出したといえる。