現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産18 > 819.html ★阿修羅♪ --> |
|
「ここへ来て官邸周辺では次期日銀総裁候補として、伊藤東大教授の名前まで取り沙汰され始めてきているようですが、ハッキリ言って次期総裁選定作業はまさに迷走に次ぐ迷走を重ねているのが実情です。現状では、小泉純一郎首相が最終決定をする上でベースとなる“候補者リスト”の作製作業すらままならない状況にあるようです」
小泉首相に近い自民党代議士がこう言ってみせる。
このコメントに登場する“伊藤東大教授”とは、伊藤元重東京大学経済学部教授のことを指す。
伊藤教授は過去、旧大蔵省金融システム懇談会のメンバーや経済戦略会議の委員に名前を連ねてきており、ストレートな表現をすれば、花形御用学者の1人といえるだろう。
「伊藤教授は、竹中平蔵経財・金融担当相に非常に近い関係にある人物です。この2人は、現時点では盟友関係にあると言ってもいい。ここへ来て、次期日銀総裁候補として伊藤教授の名前が官邸周辺で浮上してきたのも、こうした“人脈”が強く影響してのことだろう。もっと直截的な言い方をすれば、次期日銀総裁候補に伊藤教授の名前が取り沙汰されたのも、影響力回復を狙う竹中大臣の仕掛けであることは間違いない」(前述の自民党代議士)
しかしその一方で官邸サイドは、「そもそも伊藤教授とは、どのような人物だ?」(官邸中枢スタッフ)という程度の認識しか持っていないのが実情なのだ。
筆者のこれまでの取材では、官邸サイドが想定している次期日銀総裁の条件には、次の二つのポイントが挙げられるだろう。
まず第1点目のポイントとしては、民間人であるということだ。ここで言う“民間人”とは、現時点において民間人という意味で、日銀OBあるいは大蔵・財務省OBであっても問題ない、というのが官邸サイドのスタンスだ。
そして第2点目のポイントとしては、さらなる金融緩和政策を実行、実現してくれる人物であるということが挙げられるだろう。
「問題は2番目のポイントなのです。政府・与党サイドは、デフレ経済対策を進める上で、一層の金融緩和策は必要だ、という認識で一致しつつあります。場合によっては、インフレ・ターゲット政策の実現にまで踏み込むべきだ、という根強い意見もあるのです。しかし日銀サイドは、今以上の金融緩和策は意味がないと考えているし、“インフレ・ターゲット政策”などもっての他、と強い拒絶反応を示していると言っていいでしょう」(官邸中枢スタッフ)
ズバリ言ってしまえば、官邸サイドには、次期日銀総裁に福井俊彦富士通総研理事長(日銀OB)を指名したい、という意向が強くある。
「しかし福井氏は日銀OBだけあって、“究極の金融緩和策”とも言えるインフレ・ターゲット論には絶対反対の立場を取っているのが実情なのです。福井氏は、良い意味でも悪い意味でも頑固な人物なだけに、なかなか自説を曲げようとはしないでしょう」(大手都銀役員)
そうしたところから、次期日銀総裁選定作業はフリダシにもどってしまったという。
いずれにしても、速水優現総裁の任期は3月19日まで。今後の展開には要注意だ。
2003/1/8