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01/07 17:03 ブラジル、燃料大国の野望 アルコールで、日本輸出 外経51
共同
南米ブラジルが、サトウキビを原料にしたアルコールを自動車燃
料として活用促進する政策を復活させ、日本も含めた世界へのエネ
ルギー供給大国になろうという野望に満ちた計画を練っている。
アルコールは二酸化炭素の排出量がガソリンに比べ少なく、地球
環境に優しい燃料のひとつ。ブラジルは米国の倍の年百二十五億リ
ットルと世界最大の生産量を誇り、労働党の左翼新政権は「輸出振
興と農村の雇用創出の切り札」と期待している。
「ガソリン1・8レアル(約六十円)、アルコール1・1レアル
(約四十円)」。商都サンパウロのガソリンスタンドの価格は二本
立て。アルコールは30―40%割安だ。「燃料が安いし、車の購
入時の税の恩典もあるしね」。タクシー運転手ジョゼ・リマさん(
47)はガソリン車からゼネラル・モーターズ(GM)製のアルコ
ール車に買い替えたばかり。「車の性能の違いも全くない」と満足
げだ。
アルコール車は石油危機後の国策により一九八○年代には自動車
販売台数の80%を占めた。九○年代半ば以降はガソリン車が主流
となったが、今も全自動車の二割、約三百万台がアルコール車だ。
しかもガソリンにも20―25%のアルコールが含まれており、ア
ルコール利用では世界の先進国だ。
自動車業界は「数年後にはガソリンとアルコールの比率を消費者
が市況に応じて選択できる『フレックスフュエル』対応の車が出回
るだろう」(GMブラジル広報部)と予測する。
同国最大の生産地サンパウロ州西部バハ・ボニータ。見渡す限り
緑のサトウキビ畑が広がり、大手企業コザンの砂糖アルコール工場
には、伐採されたサトウキビを満載したトラックが次々と到着する
。「処理能力は日量四万トン。海外からの視察者は驚いて帰ります
よ」とサルバドル・フェラリ支配人(53)は誇らしげだ。
同社は日本商社とも輸出商談を進めており、ペドロ・ミズタニ専
務(43)は「供給面の心配はない」と強調、「年十億リットル供
給するには千二百五十万トンを増産すればいいだけだ」と語る。
「ブラジルの生産コストは世界で最も競争力がある」と自信を見
せるのは同州サトウキビ産業組合のアルフレド・シュワルク顧問(
50)。
「米二十五州による米国エタノール連合など世界の生産国とも連
携し、石油のように国際商品市場で燃料としてのアルコールを上場
」とのシナリオを描いており、石油輸出国機構(OPEC)に対抗
する石油代替の新興勢力と期待されている。(リオデジャネイロ共
同=福見守弘)
(了) 030107 1703
[2003-01-07-17:03]