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ダイエー再建のキーマン、平山敞(たかし)専務(61)が経営再建新3カ年計画の途中で退任する見通しとなった。創業者一族の中内家と対立してダイエーを離れたものの、再建屋の手腕を買われて再登板し、陣頭指揮をとっていたが、既存店売上高の前年割れが続くなど成果ははかばかしくなく、事実上の解任との見方も。「再建のエース」が去るさまは、“崖っ縁ダイエー”を象徴している。
平山氏は創業者の中内功元会長と対立、一度はグループを離れた。だが、再建のキーマンとして平成13年1月に副社長に迎えられ、営業責任者の「営業統括」に。
それもこれも、再建屋として輝かしい実績があったからだ。
ダイエーが昭和58年2月期から3年連続で連結赤字になった際、社内組織「V字形改革」(V革)のメンバーとして再建にあたっている。
62年にはダイエー傘下のスーパー、ユニード(福岡市)の社長として、4年間で90億円もの累積赤字を一掃した。ニコニコ堂(熊本市)の社長としても再建を請け負っている。
約2年前に復帰してからは、不採算店の閉鎖や核テナントとしてユニクロを誘致するなど次々と手を打ってきたものの、一時2兆円近くあった有利子負債の前には焼け石に水の状態だった。
昨年2月、主力取引銀行などから債権放棄を含む5200億円の金融支援を受けることになった際に、経営責任を取って専務に降格した。
その後も、店舗改装など売り上げ回復を図ってきたが、「店舗改装後の品揃えも代わり映えがしないし、効果は疑問」(同業他社)という声が漏れてくるなど、相変わらず窮状が続いている。
昨年7月期の既存店売上高も、前年実績を1割ほど下回っている。
ついに、昨年9月には営業統括職も廃止し、高木邦夫社長が営業部門も直接指揮。平山氏は宙ぶらりんの状態となり、事実上の解任となったもようだ。
遅々として進まぬ再建の詰め腹を切らされた格好だが、再建問題は昨年10月17日、UFJなど3行と政府系銀行が600億円で「ダイエー企業再建ファンド」を設立、官民一体の再建支援の枠組みができ、一息した。
だが、前期並み業績を達成できるかどうかのカギとなる歳末商戦の結果次第では、「4月創設予定の産業再生機構の第一号として解体」というシナリオも予想される。
船でいえば「航海長」を失った「ダイエー高木丸」の行方には、暗雲が垂れ込めている。