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コメルツ証券会社東京支店・ファンダメンタルリサ−チ部ストラテジストの宮島秀直さんは、12月末時点で欧米大手機関投資家に対して日本株投資における注目要因についてヒアリングを行った。それによると、全77社のうち過去3年間の日本株平均運用成績が上位4分の1に入る投資家の間で、次の5つが第1四半期の重要要因として注目されていることが判明した。すなわち、@内需株、A金融システム安定化、B日銀総裁人事、C政府デフレ対策(経緯刺激政策)、D米国経済政策の動向、など。
<イラク侵攻近づくにつれ、内需関連銘柄に上昇圧力> このうち、内需株優位では、「湾岸戦争時には米国に限らず、世界規模で内需関連株シフトが起きたことが、内需関連銘柄への選好を強めた背景にある」と考えている。その上で、今回も米英軍のイラク侵攻(1月末以降と予想されるが)が近づくにしたがって、「内需関連銘柄に上昇圧力が高まる可能性がある」と言う。
<インフレ・ターゲット推進する人物を希望する声強い> 前月に比べて注目度が急激に高まった日銀総裁人事については、「中原伸之元東燃社長に限らず、インフレ・ターゲットを推進する人物を希望する声は欧米の年金、投信、ヘッジファンドに限らず強い」と言う。これは欧米投資家の日本経済のデフレ深刻化への危機感の裏返しであり、日本政府が「デフレ退治に全力を尽くす」姿勢を示すには有効と考えている。現在、「中原氏は10年前のインサイダー取引疑惑などを理由に人選から外される」との見方が強まっているが、総裁人事は最終的には小泉首相の選管事項(胸先三寸)であることから、「動向は依然として極めて微妙である」と言う。
<いつ小泉首相が景気刺激政策に舵を切るか」に注目> 肝心の政府のデフレ対策では、「いつ小泉首相が景気刺激政策に舵を切るか」に、注目が絞られ始めていると言う。20002年10-12月期以降、日本の個人消費は急速に冷え込み、外需の減速とともに、GDP成長率の減速の要因となっている。同社では2003年1−3月期も−3.75%(実質GDP年率)のマイナス成長に留まるとみており、統一地方選、総選挙、総裁選を控えた小泉首相は3月までの間に、何らかの緊急的な景気刺激策実施を含めた「景気刺激政策シフト」を進める可能性が高いと見ている。「銀行への特別支援や、産業再生機構における対象企業と政府の事前協議が進捗する一方で、こうした政策シフトが進んだ場合、欧米投資家のみならず日本株への評価を高める可能性は高いだろう」
<需給要因に特に敏感になっている傾向> 一方、@厚生労働省の年金代行返上に対するスタンス、A日銀の株式買い取り動向、B自社株買い動向、Cヘッジファンドや国内インターネット・トレーダーによる短期売買の動向などの需給要因への総合得点が過去最高(2002年7月調査開始以降)に達していることに着目し、こう語る。「国内投資家だけでなく、欧米投資家も(アロケーション変更時期であることから)第1四半期には需給要因に特に敏感になっている傾向が窺われる」