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金融機関の住宅ローンや決済などの大量事務などを処理するプロセッシング業務は、情報処理技術の発展により、飛躍的に高度化、効率化などが図られる可能性がある。しかし、日本におけるプロセッシング・サービスの事業化の進展速度は鈍い。米国が機能特化で先進金融機関のリーダーシップのもとで展開されてきた経緯と比較すると、日本の課題は明らかである。潜在的な新しい収益の確保の意味も込めて、日本の金融機関から見たプロセッシング・サービスの事業化戦略を見直すべき時期を迎えているのではないか。
金融機関は、言うなれば、システムの運営会社である。優れたシステムを構築し、保有し、それを運営して初めて、収益を得ることができる。したがって、システムは生命線である。そして、日本の金融機関は、システム、プロセッシング(決済事務、計算事務、証券事務管理などの処理業務)がアウトソースされやすい状況にある。多くの金融機関、特に銀行は、これまでオーバーバンキングと言われるほどに細分化されていた。今でこそメガバンク・グループが生まれて大都市圏では集約化が進んだが、地方部では依然、地銀、第二地銀、信金、信組など相対的に規模の小さな金融機関がひしめき合う。規模の経済が働き、自社負担では対応しきれないシステム、プロセッシングはアウトソースされやすい環境にある。
ところがこのような状況にもかかわらず、日本ではプロセッシング・サービスはまだそれほど大きなビジネスに育っていない。いくつかのグループに分かれて進められている地銀のシステム共同化、クレジットカード業界のプロセッシングなど先行事例はあるものの、確かな足どりで拡大しているわけではなさそうである。
本稿においては、金融機関向けプロセッシング・サービスがビジネスとして確立している米国のケースを対照しながら、日米の差異を浮き彫りにし、日本において事業化を成功させるための要件を探ってみたい。
http://www.mckinsey.co.jp/articles/2002/11/20021100.html